次にガソリン代ですが、これは燃費がいいほうが当然有利となります。また、N-BOXがレギュラーガソリンであるのに対して、Aクラスはハイオク指定。ですから、当然Aクラスのほうが不利だといえるでしょう。 　なお、今回想定した実燃費は、N-BOXカスタムがリッター15km、Aクラスがリッター10kmとしました。 　そして、年間走行距離を8000kmで試算したところ、N-BOXにかかる年間のガソリン代は6万4000円、Aクラスは10万4000円という結果となりました。 　ですから、ガソリン代という点でも、N-BOXのほうが4万円安いという結果になるわけです。 　そして、「持っているだけで発生する維持費」と「走ることによってかかるガソリン代」を合計をすると、N-BOXのほうが中古Aクラスよりも年間13万円ほど安いという計算になるわけです。 　余談ですが、レギュラーとハイオクの価格差は10円程度であるため、仮にN-BOXにハイオクガソリンを入れたとしても年5000円程度の負担増にしかなりません。一般的にハイオク指定は損というイメージがあるようですが、思ったよりも高くないというのが現実だといえます。 　さて、ここで重要になるのが、クルマの購入価格です。クルマの購入価格の差と年間維持費の差を考慮して、「何年以上乗ったら軽自動車のほうが安いか」ということを計算するわけです。 　中古Aクラスは、走行距離が2万km以下のモノでも30万円程度で販売されている一方、新車のN-BOXカスタムの新車見積もり結果は200万円を超えてしまいました。 　ですから、クルマの購入価格という点では圧倒的にAクラスが有利となります。 　しかしながら、軽自動車は人気があるため、売却する際の買取額もそれなりに高いと事情があります。そこで、N-BOXは、経年数に関係なく将来の買取額を70万円とし、Aクラスは3万円としました。 　これらの水準は、中古車のセミプロである私の相場観に基づくわけですが、Aクラスの3万円は、ほぼ解体前提の0円状態と同じぐらいの最低水準にしています。 　また、Aクラスは30万円台で狙えますが、より購入難易度を下げるために、購入総額を50万円にまで引き上げました。 　その結果、実質の消費額（買った値段－将来の売却額）は、N-BOXが約130万円、Aクラスが47万円となり、2台の差は約83万円となるのです。 　そして、この83万円という数字を、先程の年間維持費の差、すなわち13万円で割ると6.7という数字になるのです。 　つまり、5年乗るのであれば、新車のN-BOXカスタムを買うよりも、中古でAクラスを買ったほうが21万円ほど安く、6年でもAクラスのほうが9.4万円安い。しかし、7年乗ると逆に軽自動車のほうが約2.4万円安いという計算になるわけです。 　数年に一度の割合でクルマを買い換えるという選択をするならば、手放すと同時にまたお金がかかるということになりますが、その際、6年に一度ぐらいの頻度でクルマを買い換えるならば、中古Aクラスを買ったほうがいいといえるわけです。