お金

借金500万円男。自分への誕生日プレゼントは「ホームレス生活とサヨナラ」

「働いている」という事実の重大さ

 家を借りるにあたって必要なものはそう多くはない。家を貸しているような連中は人の絆よりも金を重要視している。家賃が払えない愚直な市民より家賃だけはしっかり払うチンピラを選ぶ。  ここで重要なのは「働いている事実」だ。クレカが全滅していて金欠が理由で数社と裁判を終えているようなカスでも家を借りるには、まずここを突破しなければならない。商人たる不動産業者にとって、過去の栄華は関係ない。「今、いくら稼いでいるのか」が最優先項目になる。  日雇いのアルバイト先に見込み収入を出してもらう。ちなみに見込み収入のような曖昧な数字で住める家のレベルはせいぜい5万円ほどで、これは都内における生活保護者に充てられる物件と同じくらいの水準だ。  仲介業者も、ネットで調べて出てくるような大手には頼らなかった。できるだけ胡散臭い所が良い。都内の大通りを避け、アニメに出てくるボロボロの探偵事務所のような店構えを探した。 「外国人でも契約できます」を謳う胡散臭い看板の裏には色々な意味が隠されているのだろう。 「とにかく初期費用が安く住めるところにしてくれ」  と言うと、少しニヤリとしてから 「誰でも通す管理会社を知っている」  と自信を見せてきた。提示された物件は家賃5万円で、初期費用が10万円だった。この中には前家賃と火災保険料が含まれていたので、致し方ない出費を除くと実質3万円で新居が手に入った。

自分への誕生日プレゼント

「ちょうど3日後まで初期費用がこの値段でいけるみたいで、お兄さんはラッキーでしたね」  怪しい毛利小五郎の話に落とし穴を探したが、僕に不都合な話は見つけられず、この辺りで手を打った。これ以降騙された事に気づいても僕の落ち度だ。安全と安心と健康は金で買うしかない。  案内された部屋は東京から1時間以上離れた田舎だった。アクセスは悪くない。壁と床が張り替えられている6畳ワンルームで、僕の部屋より奥の部屋は全て空室だった。何か理由があるのだろう。目を瞑れる理由だと嬉しいな。 誕生日おめでとう、僕。 文/犬
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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