ニュース

政権交代を目指さない“枝野路線”。否定できない野党に未来はない/倉山満の政局速報

“まとまろうとした”野党

枝野幸男

(画像:「枝野幸男オフィシャルサイト」より)

 衆議院選挙は小選挙区制だ。1つの選挙区から1人しか当選できない。巨大な権力を持つ与党は現状を維持しようと候補者を1に絞る。だから野党がバラバラに戦っては勝てない。まとまろう。  それは良いのだが、まとまるとなると野党第一党に一本化することとなる。この大義名分で枝野立民は何をやったか。  国民民主党に議員の大量移籍を強要……。共産党に候補者の大量取り下げを要求。社民党に事実上の解党を迫る。れいわ新撰組に選挙区調整で大迷惑。  ここまでやって、110から96議席に減。自民党は261議席で悠々過半数を超え、公明党の32と足せば何も怖くない。  それでも立憲民主党の多くは「枝野さん辞めないで」だった。

大敗でも惜しまれながら退陣した枝野氏

 先の衆議院選挙の終盤、麻生太郎副総理(当時)が「立憲共産党」と揶揄した。  自分たちだって「自由公明党」なのだが、やはり共産党へのアレルギーは日本人には強い。  共産党が掲げる共産主義とは何か。「世界中の政府を暴力革命で転覆し、地球上の金持ちを皆殺しにすれば全人類が幸せになれる」という思想だ。この幼稚なイデオロギーは第二次世界大戦を引き起こし、一時期は地球の半分を支配した。いまだに「共産」を掲げる日本共産党に違和感を持つのは当然だ。  政治は足し算もあれば引き算もある。共産党が2万票増やしたとすれば、その何倍もの票が立憲民主党から逃げた。枝野代表、言い訳不能の大敗だが、党内では惜しまれながら退陣した。

この期に及んで「枝野路線」を否定できない立憲民主党

 そして先日、代表選挙が行われ、泉健太政調会長という若手幹部が当選した。さて、泉新代表は立憲民主党を立て直すことができるか。世間は「共産党との関係をどうするのか」に注目し、泉新代表も含めた全候補が口を濁した。しかし立民内部の最大関心事はそこにはない。 「脱枝野をやるか否か」なのだ。  この期に及んで、「枝野路線」を否定できない。もはや、「どうやってこの党を潰すか」を真剣に考えるべきだろう。では、代わる野党はどこか? 第一候補は日本維新の会だが……。 ____  日本維新の会が”マトモな野党”になれるのかについては、次回の政局速報で。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

噓だらけの日本古代史噓だらけの日本古代史

ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、日本の神話から平安時代までの嘘を暴く!

1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ