武田真治、調子に乗っていた“CMキング”時代と『めちゃイケ』への深い感謝
先ごろ2冊目の著書となる『上には上がいる。中には自分しかいない。』(幻冬舎)を上梓した、俳優・ミュージシャンの武田真治さん。17歳でデビューした直後から脚光を浴び、ドラマやCMなどで華々しく活躍するも、20代半ばで体調を崩してしまい、大幅に仕事をセーブしなければならなかった。本書には、休養当時のエピソードも含め、武田さんのこれまでの歩み、そして、これまであまり語られることのなかった低迷期の感情が丁寧に綴られている。
先の見通しが立たない中、葛藤する武田さんを支えたのが「言葉」と「筋トレ」。心に浮かんだ言葉を書き出しては壁に貼り、自らを鼓舞するようにして筋トレを続けたという。書中には、そんな武田さんが10年以上に渡って書き続けた膨大な「言葉」が数多く盛り込まれている。
「夜の空想家ではなく、昼の実行家でいる。」「人を挑発しない、人の挑発に乗らない。」「洗面所の鏡なんかで自分をなにか結論づけない。」「傷つくときには堂々と!!」など、率直な筆致で書かれた「言葉」の数々。ときに青臭く、ときに痛々しく、ときに奔放で、ときに傲慢さすら放つそれらは、読む者の心を一瞬のうちに掴んで離さないような、得も言われぬ強度を持っている。
現在、「みんなで筋肉体操」(NHK)に出演するなど、鍛え上げられた肉体美でも注目されている武田さん。再生を果たしたいま、彼は何を思うのか。
──前著『優雅な肉体が最高の復讐である。』が刊行された際にも「日刊SPA!」でインタビューさせていただきました。あれから7年経っても引き締まった身体は変わりませんが、いまでもシメのラーメンのスープは最後の一滴まで飲み干しているのですか?
武田:はい、相変わらずですね。基本的には食べたいものを食べ、飲みたいものを飲んでいます。ついこの前もカレーうどんを食べに行って、残ったスープに白飯を入れてあっさり完食しましたから。お米は別腹、スルスルと行っていきましたね(笑)。
ただ、いまは妻(2020年7月、モデルで歯科衛生士でもある静まなみさんと結婚)が食に関してもいろいろ気をつかってくれているので、独身時代と比べたら健康的なものをクチにしているとは思います。今朝はステーキを食べてきました。
──朝からガッツリしたものを食べても平気なんですね。
武田:まったく問題ありません。むしろ好んで食べています。
──新著『上には上がいる。中には自分しかいない。』についてうかがいたいのですが、刊行の経緯は?
武田:前回の本(『優雅な肉体が~』)が版を6度重ねまして、おかげさまでロングセラーになったんですね。ありがたいことに、いまでも新たに手に取ってくれる読者の方がいる。
そうしたこともあって版元(幻冬舎)さんから「次の本もぜひ」というお話を折に触れていただいていたのですが、2020年は僕がデビューしてから30年という節目でもあり、タイミング的にもそろそろありなのかなと。いわば、ご褒美として刊行していただいた本だと捉えています。
──今回の本は武田さんのこれまでの歩みを振り返りつつ、ご自身の人生観や仕事観などを綴ったものですが、きらびやかな芸能生活といった要素はほぼ皆無で、ご自身が葛藤し、悩み抜いていた時期のことについて紙幅が割かれています。
武田:俳優やミュージシャンを生業としているなら、もう少しカッコよく自分の人生を語ってもよかったのかもしれません。でも「そんなの誰が読みたいんだ?」と思ってしまって。
僕の中途半端な成功物語なんて、語ったところで意味がない。興味を持ってもらえるとしたら失敗談だろうと。まあ単純に、ようやく失敗を語れるくれるくらい成長できた、ということなのかもしれません。この年齢になって、ようやく大人になれたというか。
食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む
中途半端な成功物語なんて意味がない
『上には上がいる。中には自分しかいない。』 ふがいない自分を支えてくれたのは、「言葉」と「筋トレ」だった。 |
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