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日本のサカナが「もう売れない」理由。イメージ低下で“北海道産ウニ”までも安売り対象に

止まらない「日本産水産物のイメージ低下」

日本のサカナ[中国輸出できない]の衝撃

北海道から輸入された活ホタテを検品する中国税関の職員。中国人に北海道産ホタテは人気が高かったのだが…

 一方、日本国内でも影響が出ている。築地場外市場に出入りする飲食店の買い付け担当者が明かす。 「北海道産の塩水ウニが豊洲に普段の2倍ほど並んでいて、価格もいつもより2割ほど安かった。おそらく中国に輸出できなくなったものが、流れてきたのでしょう」  水産専門紙の記者は、日本の水産業が受ける損害についてこう話す。 「国内消費が低迷するなか、豊洲市場の仲卸にも、海外の飲食店などと小ロットの取引を活発化させる動きが見られるので、今回の措置が影響していることは間違いない。  しかしそれよりも危惧されているのは日本産水産物のイメージ低下。海洋放出されてない現時点ですら、たとえば『三陸産のホタテを北海道産に切り替えてほしい』という声が国内外で出始めている」  今回の措置で大きな影響を受けているのは、輸出品目の23.5%(水産白書)を占めるホタテだ。北海道でホタテの輸出に携わる中国人が言う。 「それまで卸値で一枚70円だった活ホタテ貝が、2年ほど前から中国業者が350円でも買うようになった。  漁師たちはみんな高級外車に買い替えてバブル状態でしたが、今回の騒動で輸出が滞り、関係者はみな途方に暮れています。値崩れが起きつつある」

「外交による決着しかない」中国側の真意とは

日本のサカナ[中国輸出できない]の衝撃 さまざまな反応を引き起こしている今回の措置だが、中国側の真意はどこにあるのか。中国事情に詳しいジャーナリストの中島恵氏が話す。 「先進半導体の輸出規制などにおいてアメリカに協調する日本への対抗措置と見て間違いない。外交による決着しかないとみられますが、中国側が環境問題を建前にしている以上、すぐに解決ということは考えにくい。  中国人は政府の外交姿勢に慣れっこなので、今回の件も静観しています。  ただ、抗日戦争勝利記念日(9月3日)や柳条湖事件が起きた『国恥の日』(同18日)が続くこれからの季節は、反日機運が盛り上がりやすい。  処理水の放出は8月末と言われていますが、日本も時期を慎重に見計らうべきでしょう」  日本の水産業界が、これ以上の打撃を被るような事態は避けられねばならない。
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日本が取るべき戦略はあるのか?専門家が解説
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回転寿司からサカナが消える日

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