英語力を格段にアップさせる「コロケーション辞典」とは?
いよいよ目前に迫ったGW。海外旅行に行く読者の方も多いだろうが、ここで問題です。英語で「日記をつける」は何というでしょう? 「『日記』といえば、Diary!」というところまでは、すぐに浮かぶが、「つける」となると俄然難易度がアップする。「書く」ならWriteだけど、「つける」……? 英語に自信があっても、こういった表現がすんなりと出てくる人は少ないはずだ。
◆「日記をつける」を英語で言うと……?
問題の答えは、Keep a diary。このような語と語の慣用的な結びつきは「コロケーション」と呼ばれ、英語で自然な表現をするための重要な鍵なのだ。そんなコロケーションを学ぶコツを探るべく、「小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典」の担当編集者、有光沙織氏に話を聞いた。
「通常、英語を学ぶときは知らない単語を英和辞典でひくことが多いと思いますが、コロケーションに関しては知っている単語をひいてみてください。例えば猫好きならCat。飼い猫、ペットの猫、野生の猫、三毛猫などはもちろん、ニャーニャー鳴く、のどを鳴らす、うなる、背中を丸くするなど、様態を表す英語表現が掲載されています。コロケーションは『連語』とも呼ばれるとおり、簡単な単語を連動させて覚えるのがコツです」
その例として挙げられたのはUmbrella company。傘、会社……傘の製造会社!? と、思いきや、意味は「親会社、(グループ)統括会社」。簡単な単語を結びつけただけで、“デキる感”が急上昇するのがコロケーションなのだ。
「基本的には単語や文法など、ある程度英語をマスターしている中級~上級者向けですが、単語を結びつけて覚えることができるので、初級者やTOEICなどの資格試験を受ける方にもオススメです。制作に約3年間かけて、約14万5000のコロケーションを収めたので、ぜひこの辞書も英語学習に活用してほしいですね」
◆SEXだけでも、膨大な数のコロケーションが!
無限に組み合わせのあるコロケーションだが、実際のところ日常生活で役立ちそうなものはどれだけあるのか。さっそく、ひいてみたのは辞書を持った男子なら真っ先に調べるであろうSEX。すると、「性別」の意味はもちろんだが、「Promiscuous sex/乱交」「Consent to sex/セックスに同意する」「Obtain sex/性交の機会を得る」といった表現から、Sex, drugs and rock ’n’ roll、Sex and violenceなどのフレーズまで、無数の例が!
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=841737
続いてひいたのはSEXと双璧を成す重要な英単語、Money。こちらも「Sponsorship money/後援金」「Seed money/創業資金」など、ビジネスシーンで使えそうなものから、「Bring in money/金を生み出す」といった、いつかドヤ顔で言えるようになりたいものまで、“ためになる”英語表現がびっしり。いずれも一度は耳にしたことのある単語ばかりなので、覚えるにもそれほど苦労は必要ないだろう。
今年3月には訪日外客数が152万6000人と単月過去最高を記録するなど、海外旅行に限らず、日常でも英語を使う機会はこれまで以上に増えるはず。簡単な単語を結びつけただけで、格段に表現力がアップするコロケーションは、英語を覚える意外な近道になるかもしれない。
<取材・文/林バウツキ泰人>ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
『小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典』 見出し項目約2500、コロケーション数約14万5000を厳選して収録 |
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