突然の事態に「付け焼き刃」で何とかする方法
極限は、備えある者だけが乗り越えられるものではない。急転が付きものの人生には、付け焼き刃でなさねばならないこともある!?
「付け焼き刃」で物事を成し遂げるためには、どのような心構えが必要なのか。認知科学者の苫米地英人氏に話を聞いた。
「身体能力の面だけで言えば、人間が出せる力の限界は、脳が決めている。しかも、すごく早い段階で『もう限界だ』と判断してしまう。でないと、体を壊したり健康を害したりするから。要するに、イマジネーションの限界が己の限界を作っているんです。これは、知的面でも同じです」
よくいう火事場の馬鹿力を出すことができれば、人は潜在能力を爆発的に発揮することができる。とはいえ、年がら年中そうなっていたら、身が持たない。どうしたら良いのか。
「リミッターを外すのではなく、リミッターをちょっとズラすイメージ。極度の恐怖や緊張、あるいはものすごい喜び。そういった感情が伴えば、脳のリミッターを克服することができます」
漫然と行うのではなく、プラスにせよマイナスにせよ何か強い感情が伴うとき、人は付け焼き刃でも成功できるのだという。だが、その際に禁物なのは不安感だとか。
「例えば株やFX投資は、自分のカネで運用している人はほとんど損します。損したくないという情動が心的バリアとなって、合理的な判断ができなくなるから、損切りができないんですね。逆に言えば、自分のカネを他人のカネだと思って客観的に運用できれば、うまくいくかもしれない」
これさえクリアできれば、何かを短時間で習得することは決して難しいことではないという。
「それが知識や情報以上のものが必要な職人芸であっても、心的バリアを取り払った上でプロが一晩横について最低限のエッセンスだけを抽出して教え込んだら、なんとかなる場合もあるのです」
ゴールとイメージが明確なら付け焼き刃でも能力発揮できる
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