更新日:2015年09月30日 23:21
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川島なお美さんが託したラグビー「サムライセブン」へのエール

 オールジャパンの初の予選突破が期待されるラグビーW杯イングランド大会の裏で、同じくラグビーの7人制競技の国際大会が行われているのをご存知だろうか?  7人制ラグビーとは、15人制と同じ広さのフィールドを使い、試合時間は7~10分ハーフ。「セブンズ」とも呼ばれ、フォワード3人+バックス4人のフォーメーションを形成する。基本的なルールは一緒だが、通常の15人制ラグビーで使うフィールドを少ない人数でカバーするため、パスやハンドリングのスキルは言うまでもなく、スピードや豊富な運動量が求められる点が特徴だ。
日本ラグビーフットボール協会HP

日本ラグビーフットボール協会HPより

 9月26日、バンコク近郊で行われている7人制ラグビーの男子アジア・セブンズシリーズ第2戦の初日、1次リーグA組の日本代表チームは、シンガポールを33-5で、次いでカザフスタンを54-0で下し、同組1位で準々決勝にコマを進めた。  今年5月、7人制の主要国際大会「ワールドシリーズ」で、来季の全大会に出場できるコアチームからの脱落が決定していたため、7人制が正式種目となる2016年のリオデジャネイロ五輪でのメダル獲得という目標に向けて強化策の根本的見直しを迫られていた。そんななかでのベスト8進出。今後7人制ラグビー日本代表にとっては、一戦一戦が正念場になると言っても差し支えないだろう。  リオ五輪からは7人制ラグビーは女子も正式競技に採用されており、ここ数年、競技人口は全体的に見ても増加傾向にあるという。現在、ラグビーW杯で大奮闘している12人制同様、代表チームの強化や人材の育成、さらには、運営費の獲得や競技人口の拡大、宣伝活動……といった目の前の課題は山積しているものの、何よりもまず、ナショナルチームの奮闘が競技全体を盛り上げていく効果になるのは明らか。この調子で7人制ラグビー日本代表の名を世界に知らしめるほどの活躍を見せて欲しいものだ。  世界選抜を3度経験し「世界の翼」とも称された吉田義人は、明大黄金期を支えたスターとして知られ、ラグビー日本代表としても活躍した名選手なので知る人も多いかもしれないが、そんな彼が、先頃日本初の7人制ラグビーのクラブチームが誕生させている。 「サムライセブン」  その名の通り、今後日の丸を背負って戦う不屈のラガーマンを育てていく役割も担う新しいクラブチームだが、そんなチームの指揮官もまた、故・川島なお美さんの突然の死を悼む文をフェイスブックに寄せている。 「7月17日のサムライセブン後援会発足パーティーにご来場頂き華を添えて頂きました女優の川島なお美さんが天に召されました。これからラグビーを応援したいと、選手全員の顔と名前を見事に覚えて下さり、オリンピックでの活躍を楽しみにしていると気さくなお人柄で一人一人に激励を頂いた事に勇気付けられ宝となりました。美しくお元気でいらしたので、あまりに突然の訃報に残念でなりません。ご本人のblogにパーティーの思い出を書いて頂き、この場を借りて感謝の気持ちをお伝え致します。サムライセブン一同、心よりご冥福をお祈り致します。」(FB「Samurai Seven 吉田義人」2015.9.24) 「サムライセブン」と吉田監督をサポートする後援会設立を機に開かれたこのパーティー会場では、2014年にチームを立ち上げ、自らのポケットマネーで活動費や運営費を賄ってきた吉田氏が、「当初から支援の申し出はあったものの、まずはチームの基盤をつくり、皆さんには『時が来たら甘えさせてもらいます』と伝えていた」と、出席に当時の心境を明かしている。創立から約1年半で後援会の設立に踏み切ったのは、2016年のリオ五輪を見据えての決意に他ならない。  亡くなるわずか2か月余り前、「サムライセブン」の激励に訪れた川島さんは、次の日の自身のブログに気丈にもこのような記述を寄せている。
川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」

川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」

「さて夕べは7人制のラグビーが東京オリンピックに出場&優勝を目指す出陣式でした/ 監督の吉田義人さん 奧さまの大西有里ちゃんとは昔からの仲よし/サムライセブン応援します/7人制に人数減ってもより迫力ありゲーム展開も面白いんですって/ちなみに(※編集部註:写真に写っている)両隣の美女たちも東京オリンピックを目指すラグビー選手なんですよ アスリートとはいえモデルさんみたいなプロポーション! ドレスの着こなしもプロ! まだ二人しかいませんがこんな美女チームなら試合も釘付けよね」(川島なお美オフィシャルブログ「『なおはん』のほっこり日和」2015.7.18)  体調が芳しいなどとは決して言えないだろうこの時期に、直接選手一人一人に声をかける振る舞いは、まさしく凛とした女優の佇まいを感じざるを得ないが、こんな人との交流のひとコマにも、川島さんの心配りのある優しい人柄が感じられるのでないか。  川島さんのラグビー熱が伝わったのか、7人制ラグビー日本代表チームは、アジア・セブンズシリーズ第2戦タイ大会の予選を順当に勝ち上がっている。15人制のラグビーW杯イングランド大会予選もいよいよ佳境に入ってきたが、日本ラグビーを応援する声は、少しずつだが大きく広がりつつあるようだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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