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日本の大学、アジア圏でトップは過去の話!?

本来、美徳だったはずの謙虚さはどこへやら。メディアでは連日「日本人がいかにスゴいか」といったことばかりが取り上げられるが、果たしてそれは本当なのだろうか? 過熱する日本流の裏側を探る ◆アジアトップ水準の大学 [日本流はスゴい!]は本当なのか?2 日本の大学はアジア圏ではトップの力を有すると思われ、事実東大はそういう評価を得ていた。しかし、先日発表された英国発の2つの世界大学ランキングにおいて、教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」では、シンガポール国立大学と北京大学に抜かれ、大学評価機関クアクアレリ・シモンズでは、京大が国内トップの38位に入るものの、シンガポール国立大学、同じく南洋理工大学、中国の清華大学、香港科技大学、香港大学、ソウル大学にも抜かれるという結果となった。 「この手のランキングでは、英語圏大学が有利になる点は留意する必要があります。東大など、『論文の被引用数』ではもっと高く評価されるべきですが、総合力で負けてしまうのです」と語るのは、大学イノベーション研究所所長の山内太地氏だ。 「高校までの学力はすでに世界トップクラスですが、大学では留学生や外国人教員が少なく、『国際性』のポイントが低くなる。日本語である限り、こういったランキングで上位に入ることは難しいでしょう。だからといって、講義などを英語にすれば、今度は新入学生が付いてこられなくなるというジレンマもあります」  ネックとなる英語だが、’13年のTOEICの平均点で、日本はスコアを発表した48か国中40位。その原因を英会話教室The Discovery Lounge代表のRina氏が語る。 「日本人はそもそも、英語を話す機会がほかのアジア諸国に比べても圧倒的に少ないです。例えば、日本では英語の授業が小学校の高学年から始まるのに対し、韓国では小学3年生、中国の都市部では小学1年生から始まります」  必ずしも大学ランキングが正当な大学の評価とはいえないが、アジア圏の首位を守るためには何らかの改革が必要なのかもしれない。 ★特に英語力ではアジア諸国と比べ大きく遅れをとる 【山内太地氏】 大学イノベーション研究所所長。国内外で884大学、1174キャンパスを見学。著書に『下流大学に入ろう!』(光文社)など 【Rina氏】 英会話教室The Discovery Lounge代表。生徒の目的に合わせ、コミュニケーションに注力した「話せる英語の習得」を重視 ― [日本流はスゴい!]は本当なのか? ―
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