第496回

4月1日「ニコニコ超会議で」

・4/28・29の「ニコニコ超会議」、面白そうだね。動画コミケとして、この場所がオリジナルコンテンツの源泉になっていくことを証明してほしい。

・ユーザー主体であること、ネットとゲームの接点にあることなど、ニコニコの強みについてはいろいろと語られている。しかし今何よりの強みは、広告収入に依存しなくてもよいビジネスモデルを持っていることではないかと考える。制作プロセスも現場のスタイルも、従来のテレビとは全く違う。これを生かして、ここから様々な変革を起こせるはずだ。

・さて僕もお手伝いしてるニコニコ生放送のレギュラー番組『ゲームのじかん』、おかげさまで続くことになったよ。ユーザーのリアクションはとても大きくなってきたし、著作権者の協力がしっかり得られるようになったこともありがたい。「ニコニコ超会議」で『ゲームのじかん』チームも何かやると思うので、よろしくです。

4月2日「ネットと現実で」

・4/13『死ぬのがこわくなくなる話』をリリースする。今度は紙の書籍だ。

・昨年8月から11月まで、とある事件を追いつつ、ツイッターやニコニコ生放送を使ってリアルタイムで記録した。つまりネット上に書き下ろし、語り下ろしたものである。ロサンゼルスとかアリゾナとか、環七の地下とか中野ブロードウェイとか、いろいろな場所に出かけ、リポートした。書き続け、公開し続けることによって、さらに事件に深くまきこまれ、不思議な体験をすることになった。

・読んだら、あなたが死んでほしくないと思う人にも、急いで読ませてあげてほしい。大事だと思うところをコピーしたり、一部をツイッターやブログに書き写してくれても構わないよ。

4月3日「中野ブロードウェイで」

・『死ぬのがこわくなくなる話』サイン会をやることになった。星海社の太田さんと一緒にやってるニコニコ生放送『公開企画会議』から生まれたイベントだ。

・4/14(土)16:00~18:00。場所は中野ブロードウェイ4階「K-CAFE」。希望者は『死ぬのがこわくなくなる話』(星海社)をご購入のうえご持参のこと。先着50名様に「UFOアイスコーヒー」サービスあり。太田さんや来場者さんと話しながら、ニコニコ生放送しようという計画。

「K-CAFE」の場所はわかりにくいので注意。中野通りの桜を見るついでに、お気軽にどうぞ。

4月4日「日々是失業」

・新年度、寂しいこともいくつか。大学の講義、今年はなくなった。20年近くどこかでは授業を持っていたし、大学院に持ってからはかなり安定していたので油断していた。講義はその時間帯の前後も含めて本気の若者達との接点でもあるので、もちろん近々どこかで再開したいと考えている。何かテーマのある人、当面はネット経由でアクセスしてきて頂きたい。カフェ(@中野ブロードウェイ)を、大学生・院生(というか社会に出る直前の人達)向けに定期的に開けることも考えている。ニコニコ生放送使ってもいいね。

・それから連載が一つ終了になった。『BURRN!』というヘヴィメタ系音楽雑誌の「COMPUTER GOD」というコラムだが、4/5発売号が最終回となった。月刊誌で233回目。つまり19年間以上休まず続けたことになる。生涯の仕事の中でも最長不倒記録だな。

・もちろん今はゲーム評であれエッセイであれ、この『コージ中』みたいな場所に書いた方が多くの人に読まれるわけだが、紙の雑誌に固定していく仕事も僕はとても大事だと思っている。文章についてネットならではのスタイルを必死で考えているが、こういう時代、紙ならではの方法や価値について考えることも大事だね。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。