第87回

02年10月10日「喋る犬」

・ナムコ本社にて打ち合わせしていたら、女子社員の方が「よろしくメカドッグ」とAIBOを連れてきた。おなじみソニーの機械犬だが、ナムコが制作したソフト『お話しAIBO』(11/2発売予定/¥8,000)をインストールしてあり、なんと会話をするのである。

・人の言葉を聞き分けて、可愛らしい声で返してくる。打ち合わせの間、テーブルの上で遊ばせておいたのだが、大人達の話の中に自分の知ってる単語を聞き分けては、反応する。とんちんかんな喋りで大人達の会話に入ってこようとするところが、すごくかわいい。わからなくても「なになに?」「なんでやねん」「あそぼ」と、子犬っぽい無邪気な喋りを続けている。そして飽きたら唐突に踊りだしたりする。なごみます。

・これはすごく一般性があると思う。ナムコとしても、マニアだけでなくシルバー世代等にも楽しんでもらいたい、とのこと。

・言葉や仕草、あるいは気持ちの変化に合わせてときどき流れる効果音は『パックマン』『ディグダク』『ラリーX』等など、非っ常~に懐かしい往年のナムコゲームからの引用である。ふと気づいたが、そのシルバー世代というのは僕ら第1期ゲーム世代のことではないか。

02年10月13日「信じられない光景を見た」

・木ノ花さくや先生に誘われて、「アジアMANGAサミット」のパーティーに行く。日本そしてアジア各国の超有名マンガ家さんが勢揃いして談笑している豪華な空間。里中満智子先生、日野日出志先生、モンキーパンチ先生ほか、大御所に次々と紹介して頂く。日野先生とは20年ほどまえ、神田のホラービデオ屋でよく一緒にたむろさせてもらっていたのだが覚えておられないようだ。当然か。

・記念よせがきコーナーをずっと見ていたら飽きなかった。お顔を存じ上げなくても、手元を見てたら有名キャラクターがさらさらと出現していく。各国の作家さんのタッチにほとんど差異が見られないことも驚きだった。

・さてステージ上ではアンパンマンやバイキンマンと一緒にやなせたかし先生が激しく踊り、歌っている。本当に、SMAPのように激しく。やなせ先生ってもう80歳超えているんじゃなかったっけ。もしかしてあれも着ぐるみだったのかしら。


02年10月15日「タイトルはアングラサイトっぽいが」

・『トリプルX』試写。BMX、スノボ、スカイダイビングなどエクストリーム

・スポーツのカリスマが国家安全保障局にシークレット

・エージェントとして雇われる。このわかり易い設定も、そしてクルマで谷底に飛び降りスノボで雪崩の中を走り抜けるアクションも、服を透視できちゃう双眼鏡やバンドエイド型爆弾といった小道具も……とてもハリウッドぽいスパイ映画である。頭良くなりすぎた『M:I』シリーズより、ばかばかしいほどに単純明快なこっちの方が買いかも。

・マンガをそのまんま映像化してる感じ。そしてこの映像をそのまんまゲーム化できそうな感じ。そういう意味ではとても今的な作品である。

2004.12.13 |  第81回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。