第88回

02年10月18日「アジアの中心はどこ?」

・シンガポール経済開発庁のタンさん来社。デジタルマンガやデジタルアニメについて調査しているという。アジアのハブとして機能しているシンガポールは、IT戦略にもとても積極的である。既に光ファイバーのネットワークをアジア全域に行き届かせ、さらにサーバーや、あるいは認証や課金のシステムの構築も進んでいるらしい。

・ウチのような小さなチームの地味な活動にまで目を留めて、やって来てくれたわけだ。すごい情報収集力だと思う。日本のお役人ももっとがんばるべきかも。

・シンガポールは自由貿易港として、物流の拠点として急成長した国だ。商品がデータになると、こういう国の優位性はさらに高まるだろう。コンテンツ生産者にとっては、発信地がどこにあってもいいわけだ。税法や著作権体系がフェアに成立している国に拠点を移すという動きも出てくるはずだ。こういうこと、一緒に勉強してみたいという人、アクセス乞う。

・さて実は僕は昔アジアをぶらぶらしていた時があった。当時(20年前)シンガポールのガイド雑誌に写真が載ったことがある。これ。


02年10月21日「ひらきこもろう」

・講談社の田中氏と打ち合わせ。ネット連載から生まれた例の本、結局『ひらきこもりのすすめ』というタイトルになりました(講談社現代新書/11月20日発売予定)。『会社をやめよう』『一生遊んで暮らす方法』『渡辺名人物語』等など、いろいろな案が出たのだけれど、連載スタート時に思いついた「ひらきこもり」という言葉に今はずいぶん思い入れがあるので。この言葉で元気出してくれる若い人がたくさんいるといいんだけど。

・書き下ろしの本がスタジオ版だとしたら、こういう本は、いわばライブ版と言えると思う。ただしプロ・ミュージシャンのレコーディングと同様、ライブで録ったものを徹底的にリミックスし、修正をかけ、要素を追加した。そのあたりにも注意してもらえるとうれしい。

02年10月22日「本も大切」

・三軒茶屋『ファミ通』編集部に。今年末はRPGの大作が多いので今かなりお忙しいようである。名物「椅子寝ラー」を見学した後、単行本リリースの打ち合わせ。

・『プラトニックチェーン』をテレビで見てくれた人から、原作本の問い合わせが相次いでいる。実はまだ、ないのだ。単行本が出てないうちにアニメ放映が始まってしまっていたのだ。雑誌連載で読んでくれてる方々からの要望もあるので、きちんと本にまとめることにした。

・それから、ずっと書き続けていた『ゲーム・キッズ』シリーズも、単行本で完結されることになった。てな感じで予定を立てていくと、年末から来年初夏まで、ほぼ月刊で単行本を出すことになる。ネット時代に対応、なんていいながら実はアナログな活動の方が忙しかったりする今日この頃。

2004.12.20 |  第81回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。