第115回

03年5月5日「欲しい!」

・小型のハイビジョンカメラで撮影された『くま女』(平方宏明監督)というホラー映画を見せてもらった。逃げまどう女子高生達を手持ちカメラのアングルでひたすら追う、機動性を生かした快作だった(6月以降、「角川ホラーシネマ」サイトhttp://www.kadokawa.co.jp/ks/で有料ダウンロードできる)。

・中野ブロードウェイのAV機器専門店フジヤ(うちから徒歩15秒)に行ってみるとハイビジョンカメラ(JY-HD10)が30万円台で出ていたので、触らせてもらった。なるほど小さい! 手に持ってバンジージャンプできるくらい。そしてグリップ部分は、持ったままで録画スタート

・ズームなどのボタンを操作できるうえ、持ち替えずにかなりの動きがこなせるように工夫されている。カメラまで自分自身でやってしまいたいタイプの映像作家にはうってつけである。

・前にも書いたけど、ビクターからはさらに低価格の、家庭ユースを狙った商品も出ている(GR-HD1/日本ビクター)。収録はそのへんに売ってるMiniDVテープで、そして撮った後の編集作業はパソコンで行なう。センスと根性さえあれば、もう誰でも映画撮れるじゃん!

03年5月6日「中野に集まれ!」

・講談社の太田さん、新潮社の岩坂さん、川久保さんとミーティング。僕の新刊小説『怪人21世紀・中野ブロードウェイ探偵ユウ&AI』と、僕が間接的にお手伝いしているコミック『エンカウンター ~遭遇~』が、同時タイミング(6月頭)にリリースされる。どちらも物語の重要な舞台として中野ブロードウェイを使っている。と、いうわけでジョイントして何かできないか、という打ち合わせである。ちょっと面白いイベントを組む可能性が出てきた。待て続報。

・ところで太田さんは文芸誌『メフィスト』の名物編集者だが、そのさらにとんがったバージョン(?)として新創刊される『ファウスト』の編集長に就任した。これは大期待。

03年5月8日「中野ブロードウェイの奇跡」

・東京在住の皆さん、この日はちょっと変な天気だったと思いませんか。ずっと土砂降りだったのに、午後のある時、約10分間だけいきなり晴れわたり、また降り出した。

・さて『エンカウンター』は、超能力やUFOなどの不思議世界を正面から捉えたマンガだ(週刊コミックバンチ連載中)。中野ブロードウェイの秘密基地にて、その作者の木ノ花さくや先生と、そして超能力界の3巨頭、清田益明さん、秋山真人さん、矢追純一さんの対談が実現した(内容は『エンカウンター』単行本の宣伝用パンフレットに収録される予定)。

・せっかくなので中野ブロードウェイの屋上で写真撮影を……と、いう話になった。でも雨降ってるし……と思ったのだが、みんな気にせずにさっさとエレベーターに乗るのである。追いかけて屋上に出ると、もう晴れ上がっている! ど、ど、ど、どういうことですか。3人とも「そりゃ晴れるでしょう」と、こともなげである。そして撮影が終わった瞬間、にわかにかき曇り、降り始めたのだ。

・さて屋上で空を見ながら「僕が宇宙人だったらこういう機会を逃すはずはないなあ」と、思っていた。そしたらなんと……!(長い話になるので、続きは別の機会に)。

・それから皆さんには、それぞれの方法で僕の部屋のパワーを調整して頂いた。この効果がすごい。ここに10分いるだけで10日間南の島で休養した程度のエネルギーが充電できるようになったのである。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。