第116回

03年5月9日「2度目の婚約解消」

・鏡を覗くたびにきゅっと表情を作って「あたしまだまだイケてんじゃん。10年前とどこが違うのよ」と自分を偽っているあなた。確かに10年前と同じくらいちやほやされてるだろうね。しかし今、寄ってきてるのは「やりたい」だけの奴らだけだってことに気付いてる?

・……と、以上はセガに対して言ってるわけじゃ、ありません。

03年5月10日「ガチャガチャ」

・中野ブロードウェイの店ではいろんなものを売ってみたいのだけど手が足りない。ので、取りあえずガチャガチャ(カプセルベンダー)を設置しようと思ってる。

・どんなものでも同じサイズのカプセルに詰め込んで売ってしまうって発想が好きなのだ。あの独特の価値観はソフトコンテンツ向きでもある。CDやDVDは入らないけど、メモリースティックやメモリーカードなら入る。このマーケット向きに低価格で製造してくれればいいのに。

・写真はガチャガチャの博覧会「ガチャ博」@ラフォーレ原宿。200台がずらりと並んだ風景はとても美しかった。未だレアな「でこぼこフレンズ」もあったので即大人買い~コンプリート。

03年5月13日「メイドイン中野」

・マンガ家の木ノ花さくや先生と、近所の書店に挨拶回り。木ノ花先生の『エンカウンター』と、僕の『怪人21世紀・中野ブロードウェイ探偵ユウ&AI』が、ともに6月頭に出る。どちらも中野ブロードウェイ内で制作されている。だけでなく、物語的にも中野が重要な舞台になっている、いわばご当地もの。中野でたくさん売りたいのだ。

・ネット時代だからこそ書店という場所が大事だ、という話は前に書いたっけ。僕らは自分たちの作品を売るためにネットを拠点にいろいろインディーズ的なことをやってくつもりなのだけど、書店の現場スタッフはさすがによくわかっている。そういう計画に場所を提供しようというオファーも頂いた。よし、面白いことやるぞっ。

03年5月16日「ご無沙汰」

・電車の中でさくまあきらさんに、ばったり。2年ぶりくらいなんだけど、こちらはさくまさんのウェッブ日記を毎日読んでるのでちっとも久しぶり感じがしない。さくまさんの日記は食べ物の写真と描写が多くて、すげーおいしそうなのだ。

・ウェッブ日記の書き方に悩んでいる人は、まずうまいものを食い、それをちゃんと描写するということから始めてはいかがだろう。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。