第132回

03年9月15日「ゲームボーイでマンガを読む」

・am3社の黒川副社長と会う。am3システムについては以前ここでちょっと紹介したが、早い話GBA(ゲームボーイアドバンス)上でデジタル動画をばりばり再生できる技術だ。GBAにメモリーカードを差し込む形式でアニメや映画を見ることができる。その環境に向けて、新しいスタイルの「マンガ」をリリースしていきたい、というご相談。

・確かにGBAの携帯性やインタラクティブ性はマンガにも向いていると思う。さらにコンテンツの供給方法が興味深い。「ガチャガチャ」のような店頭端末でメモリーカードの書き換えサービスを行なうのである。デジタルマンガ作家の皆さん、チャンスかもよ。

03年9月16日「ドラクエやFFの影で?」

・スクウェア・エニックス社にて打ち合わせ。『Gファンタジー』誌で、原作マンガの新連載をスタートすることになった。タイトルは『プラトニックチェーン』。マンガ家さんは、遠野ヤマさん。若くて力のある作家さんです。

・この出版社のコミック雑誌の、なんというか「マニアックなメジャー感」に注目していて、一度勝負してみたかった。がんばります。

03年9月17日「関西で受けるかも?」

・『ミッション・クレオパトラ』試写。フランスで超ヒットを記録した映画らしい。原作は1959年から続いている人気コミック。フランスには非常に厚いマンガ文化がある。日本のものと比べるとアート性、思想性がとても強く、映画化に向いている作品が多いように思える。

・内容は、クレオパトラの命令のもとシーザーの宮殿をわずか90日間で建造するため奔走する建築家と魔法使いの話である。といってもスペクタクルではない。登場人物の誰も彼もが吉本新喜劇ばりの濃いキャラで、しゃべくりをベースとしたこてこてのギャグが延々と続く。

・ギャグは下らない言葉遊びだったり、ベン・ハーからブルース・リーまでしょうもないパロディー・シーンだったり。戦闘シーンに突然説明もなく伊勢エビのドキュメンタリー映像が挿入されたり。このマンガ的というよりかなりベタ(フレンチ?)なノリは、フランス人と関西人以外はついていきにくそう。大作なのに世界マーケットをちっとも意識せずに好き勝手に仕上げてしまっているってことだ。そこがフランス映画らしい。

03年9月18日「復活するのか-!?」

・東京ゲームショウが近いですね。イベント情報が届いたんだけど、一つ仰天したところがあった。ハドソンのステージで、高橋名人が出演しまくることになってるのだ。しかも『スターソルジャーゲーム大会』なんてのもやるってよ!

・この現場に毛利名人が乱入するという噂もあって、目が離せない。ところであのカルトムービー『高橋名人VS毛利名人・激突大決戦!』はなんとDVD化されることが決定したそうだ。ちゃんと印税は入ってくるのだろうか!

・話は変わるが椎名桔平さんと山本未来さんご結婚おめでとうございます。僕は2人が初めて出会ったその場に居合わせてたのだ(=写真)。あれから8年かー。

2005.11.07 |  第131回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。