第136回

03年10月4日「中野ブロードウェイ情報」

・中野ブロードウェイが誇る屋上庭園に遂に「ナイアガラの滝」が完成した。建造費用は2000円。

・中野ブロードウェイは首都高を建造したチームがその勢いで建てたんだそうだ。

・建てる時、地ならしをしていたら地下水が湧き出して大きな池になってしまい、長期間工事が中断した。そこに謎の大魚がたくさん出てきて、釣りで賑わったそうだ。

・3階の明屋書店は今工事中で、11月頭にリニューアル・オープン。その記念イベントをちょっと手伝います。続報待ってて。

03年10月6日「美女は好きなので」

・SPA!本誌のグラビア企画「美女研究所」の打ち合わせで、編集部の樋口さん来社。クリエーターが自分の美女論にもとづいて選んだ旬の女性を撮る、という企画。前は蒼井優さんに「ひきこもりのネットアイドル」イメージを演じてもらった。

・樋口さんと、デジタル社会の美女についていろいろ議論。芸能界ではなく今の渋谷っぽい感覚を持ったタレントさんとして、現役女子高生の富田麻帆さんにお願いすることになった。

03年10月10日「アート化していく昭和」

・東京デザイナーズウィーク期間。ナーズウィークではない。各所のホール、ショップ、大学等でいろんなことを同時多発的にやっている。散漫にも思えるが、街の活性化とはこういうことだと思う。中心のいらない時代なのである。例えばインターネットをサーフするように東京の街を歩いてみたい。

・青山の街中には白テントが立っていた。都築響一氏プロデュースの『秘宝館』だ。以前、横浜トリエンナーレで見てかっこいいなあと思った試み。

・地方の秘宝館とは、昭和の大人達が温泉と酒でゆるゆるになった頭で覗きにいったエロの殿堂だ。ただ当時の子供達は(もちろん内部まで連れていってはもらえないわけだ)皆なんだか陰鬱とした怖ろしい場所に思っていた。改めてこんな形で展示されると、それはキッチュでポップなB級SF文化になっている。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。