第138回

03年10月18日「おじいちゃんにもケータイを」

・誰もが情報を共有できるインターネットのおかげで「携帯電話は心臓ペースメーカーに悪い」という説が覆されつつある(現実には10センチ以上離れればほとんど影響は出ないそうだ)。半端な決めつけが、ペースメーカーつけてる人は街歩きすら控えるようにというような風潮を、さらには「おじいちゃんに携帯電話なんかとんでもない話ですよ」的な差別を生む。体に心配のある人こそ、携帯電話を持って欲しいと思う。もちろん十分な注意の上で。

・規則を決める側の人々の怠慢と傲慢って本当に嫌ですよね。それが情報網のおかげで暴かれていくのは良いことだ。インターネットがなかった時代には例えば「運動中は水飲んだらいけない」みたいな迷信がずいぶん長く続いていた。

・さて、ガソリンスタンドで携帯電話の使用を禁止している理由も僕はよくわからない。どなたかがきっと「ケータイから火花が出てそれが引火する可能性がある」と、本気で考えてるのだろう。その人は、そんなところに電子機器のカタマリ「自動車」で近寄ることは平気なんだろうか。

・好評なので美女研究所のオフショットもう一発。当日はどしゃぶりで制服ずぶぬれになっちゃいました。ごめんね。


03年10月24日「ゲームとCGと映画」

・TIGRAF(東京国際CG映像祭)にて、企画の一つとしてゲームクリエーターによるシンポジウムが開催されることになり(11月6日)、準備を手伝っている。今、日本のCG業界の中心は映像・映画業界ではなくゲーム業界なのだ。

・今日はカプコンに呼ばれ、パネリストの一人、三並プロデューサーと打ち合わせ。『バイオハザード』シリーズ、あるいは、深作欣二監督起用による『クロックタワー3』の制作で知られている人だ。ゲーム制作者の立場からCGを見る視線は非常に興味深い。

・ところでファンタ(東京国際ファンタスティック映画祭)の方では『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』を上映するらしい。本当かよ。えーと、もしあの対戦の時に無敵ロム使ってたとしたら、あんまり大きなスクリーンでやったらばれるんじゃないかなあ。どうでもいいか。

03年10月25日「シリーズ化に期待」

・『キル・ビル』。スシ、ゲイシャ、ヤクザ、コギャル、チャンバラ、……と、変な日本・大爆発。そこがどの国より日本でいちばん受けるのだ。笑いモノにされても、注目されてるってことを喜んでしまう。日本人って、そういう、クラスに一人はいるいじめられっ子タイプなのだろう。

・そしてこういう映画が出現するたびに、日本のアニメやマンガの影響が語られる。しかし例えばタランティーノが心酔した深作欣二監督がマンガやアニメを見ていたか言うとそうではないのだ。日本のポップでキッチュなB級ビジュアル文化の創成について、別の要素も見付けておかなくてはならないはずなのである。この話、別の機会にまた書く。

・さて『キル・ビル』の展開は、『仁義なき戦い』リスペクト・パターンだとしたら『2』で完結すると思うのは甘いのではないか。

2005.11.19 |  第131回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。