第143回

03年12月2日「信者サービス」

・銀座アップルストアに行く。こんな一等地にこんな理想郷を用意してくれるなんて素晴らしい。と、こういう仕掛けにまんまと騙されてなかなかマックから離れられない人が多いと思う。僕もそう。

・G5もiPODも、並んでいる全商品は即日持ち帰り可というスタンスらしい。店員さんもとても感じが良い。マニアックな知識はひけらかさずに、一般的かつ的確なアドバイスをしてくれる。マックのかっこよさと親切さにひかれてこれからパソコン買おうって人にはおすすめできそう(マックにウィンドウズOS入れちゃうようなマニアは秋葉に行けばいいのだ)。

・さて感心したのは、店舗のデザイニングもとても「マック的」だったことだ。内装や表示が現実的でわかりやすいという意味である。商品をごちゃごちゃと積み上げていない代わりに、通路はゆったり。エレベーターに乗っても客が押すボタンはないし、各階の説明を表示するパネルもない。各階に止まるようになっていて、また、止まった時にそのフロアが見渡せるようになっている。考えてみればこっちの方がずっと合理的で、楽なのである。


03年12月3日「身近な凶器」

・物理的な回線が屋外に剥き出しになっている以上、盗聴器を仕掛けるのは簡単だ。デジタルならデータ再現に技術が必要だが、例えば物理的に損傷を加えるだけならもっと簡単である。こういうところにネット社会の脆弱さがある。対テロ方策としては、監視網や罰則を強化するか、もしくは一罰百戒効果を狙うしかないのだろう。というわけで武富士社も、探偵会社も、大方の予想以上にきつく絞られると思う。

・さてこの事件に影響されて自宅の回線をいろいろといじくり回して実験していたら案の定ぶっこわれ、回線業者に怒られた。光ファイバーって下手にいじったら危険なものなんだそうだ。切り口からからのビームで目が焼けることもあるんだって。ひー。

03年12月8日「ゲームクリエーターの進出」

・セガは結局サミー系列に。さて、今後セガの優秀なクリエーターがすぐにどんどんパチンコ・パチスロのデザインに進出してこの世界に人気ゲームのような機種が次々と……という理解をされている人が多いと思う。が、それは、そう簡単なことではない。

・パチンコ・パチスロは1つ間違うと過度のギャンブル性に傾いてしまうこともあり、ゲームデザインや穴のふさぎ方に、アーケードゲームや家庭用ゲームとは別の気の遣い方が必要となる。それはどんなに優秀なチームでも、一朝一夕で獲得できるノウハウではない。そして、許認可事業ゆえの非常に厳重なチェックを受ける態勢も必要になる。

・とはいえゲームクリエーターが、ゲーム業界の10倍ものマーケットを誇るパチンコ・パチスロ業界で努力することによって、大人の遊びがさらに楽しくなっていくことにも期待している。セガの皆さん、がんばって下さい。

2005.11.24 |  第141回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。