第152回

2月14日「へなちょこ」

・おくればせですが、バレンタインデーのチョコ感謝です。スタバのエキストラダーク送ってくれた人は僕のあの小説の読者ですね。これってものすごく変な味がするんだけど、なぜかハマります。何か特別なもの入ってるのかな?

04年2月15日「発案というか発明」

・日経産業新聞に、任天堂山内相談役のインタビューが出ていた。話題になってる「2画面ゲーム機」のアイデアは「私が思いついたものだ」と明言している。それも1年半前というから、社長を退いた後のことだ。やっぱりこの人すげー。

・本人が元気なうちにこの人についての評価や考察はきちんとやっておいた方が良いと思う。100年くらい経った後、いろんなことが「日本には山内がいたから」で説明されるような気がしている。どうでしょう。

04年2月16日「大ヒットか大コケか」

・『アイトーイプレイ』(SCE)にハマっている。なんかめんどくさいっていう先入観があったんだけど、やってみたらセッティングは簡単だし操作もわかりやすいし、ゲーム自体もすごく気持ちいい。ビデオ画面の中で体を動かす操作がもたつくことなくそのまま、窓ふきやヘディングといった単純明快なゲームになっていく。

・はずみがついたらものすごく売れてもおかしくないゲームだと思う。ただしこれ、ビデオアーティストやメディア芸術研究者がやってるインスタレーションぽいところが弱点かも。バーチャルボーイっぽいというか、つまり買う前の印象が「頭良さそう」なところ。

04年2月17日「華麗なる転職」

・ちょっとビルゲイツに意見したいことがあったのでマイクロソフトに電話したら宣伝部長の(はずの)本郷さん(X-boxが出るときに任天堂から電撃移籍して話題になった名物広報マン)がいなくなっていた。ケータイに直電してみたら「もうマイクロソフトやめましてん」と。

・じゃあ今はどうしてるんですかと聞くと「今は缶関係を……」なんて言ってるので、てっきり路上で缶拾いに勤しんでるのかと思ったら……なんと超大手缶ジュースメーカーに転職されていた。宣伝部長だって!

04年2月22日「踊る市民運動」

・前述の理由で暇をみては渋谷をうろついているんだけど、宮下公園で大規模なレイブをやってるのに出くわした。DJブースが数カ所に設営されてて踊ってる人もたくさんいる。ポスター見てみると「サウンドデモ」っていって、自衛隊イラク派兵への反対をアピールするための企画らしい。レイブ形式のデモ。かっこいい。

・反戦デモ+音楽っていうと1969年の新宿西口を期待しちゃう人もいるかもしれないけど、幼児が楽しそうに走り回っていたり、公園隅のテントからはホームレスのおじさんも手を振ってたり。いい感じにだらんとくつろいだ空間になっている。

・ところがすぐに警察と機動隊が到着し、出入り口を固めて参加者ともめ始めた。ありゃりゃ。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。