第154回

2月27日「ショートムービーを進化させたら」

・『少年ジャンプ』デジタルマンガ賞の予備選考作業を延々とやっている。僕も審査員の一人なのだがこの段階から参加して全作品を拝見し、作り込みの方法や技術力など詳細について検証している(もちろん本審査の際は他の審査員に対して事前に情報は入れない)。

・今年の傾向として顕著なことがあった。CGクリエーターがこの領域に大量に流れ込んできているのだ。

・CGによるショートムービー作品を見せる場所としてブロードバンド環境がすごく使えるようになってきている。しかし、リニアな(流しっぱなしの)映像はネットには向いていない、ということに多くのクリエーターが気付き始めている。さわって進めていく映像、という形式に落とし込もうとしているうちに、それがデジタルマンガになってしまった……そういう作品が急激に増えている。

・ショートムービーってタダで見るものっていう印象が強くて、なかなか課金コンテンツとして成立しなかった。でもこの形になることによって、コンテンツの商業性も高まるような気がしている。

3月1日「企画力とプロデュース力」

・元カリスマ漫画家・現CGクリエーターの岡崎武士さんのスタジオに遊びに行ったら、げっそりと痩せている。徹夜続きらしい。『ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン』(アリカ)というゲームのキャラクターとムービーの一部を担当されているとのこと。

・ゲームをプレイしていないうちになんだけど、この企画ってちょっと面白いと思いませんか。『ドルアーガ』と『不思議のダンジョン』って相通じるところが、確かにあるのだ。複数の大手メーカー作品をきちんと権利処理して実現したところ、そして岡崎さんのビジュアルを起用したところ、等、久々にプロデュース力の高さを感じるプロジェクト。続報します。

・もう一つ、企画に期待してしまってるのはSIMPLE2000シリーズの『THE 大美人』。SIMPLEシリーズはいい具合にモンド化が進んでいる。この話題も改めて書きます。

3月3日「暖かくなりましたね」

・あ゛ー渡辺謙さん惜しかったなあ。もし獲ってたら僕も「オスカー俳優に原作を提供した作家」と名乗れたのに(てなことを思ってる裏方が業界にはずいぶんたくさんいるんでしょうね)。

・ところで気が付くとバカボンのパパと同じ年齢になっていた。しばらくはどんなクレームにも「41歳の春だから」ですましてしまうことにする。

2005.12.08 |  第151回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。