第227回

8月22日「あのトラユマダンス再び」

・『ビー・クール』試写。元チンピラの映画プロデューサー(ジョン・トラボルタ)がインディーズレコード会社の女社長(ユマ・サーマン)と組んで、ショウビズ界の海千山千の人々と丁々発止やりあい、成功をつかんでいく。『ゲット・ショーティ』と『パルプ・フィクション』好きな人は絶対見よう。トラボルタとユマのあの変なダンスもあるよ。

・ゴージャスでカラフルで猥雑で下品なハリウッドの描写がいい。その空気を体現しているトラボルタはもちろんハマり役。そしてザ・ロック、ダニー・デビート、スティーブン・タイラーなどベタな俳優やミュージシャンが多数出演して、皆ほとんど地のままで演技している。それぞれのタレントのバックグラウンドを元にいたるところにちりばめられた楽屋落ちとパロディーの小ネタが楽しくて、映画ファン・音楽ファンはそれを探してるだけでも飽きないだろう。

・今日はあんずミルクでビークール。


8月24日「オタク脳をリワインドし、リニューアルするために」

・『機動戦士ZガンダムII  恋人たち』試写。時々過去のガンダムを見直すってのは自分を巻き戻し、バランスを取るのに良いと思う。

・全盛期のTVシリーズ1クール分をデジタルリマスター&デイレクターズカットによって劇場映画化する……これは『タイトーメモリーズ』と同様、オタク・シルバーマーケット向けの好企画といえる。単に当時の素材を短縮編集しただけでなく、手間をかけて追加新素材を制作し、かつ声も録り直している。

・その作業において、現在の視座からのテーマをはっきり打ち出している。サブタイトルに見て取れるように、Zガンダム3部作の第2部を 富野監督はカミーユやフォウを中心としたラブ・ストーリーとしてまとめているわけだ。このセンスはさすがだなあと思う。

8月25日「映画とゲームがつながっていく」

・『マダガスカル』のPS2版(内容はゲームキューブ版も同じ)をやってみたら、これが非常に良い。ライオン、シマウマ、キリン、カバの仲良し4頭の個性がそのまま再現されている。ストーリーも映画を踏襲しつつ、ところどころわずかに変化していて新鮮な気持ちで遊べる。ゲームとしての新しさや密度はないが、映画気に入った人なら絶対楽しめるはず。キャラゲーはそれでOKなのだ。

・多くのメジャー映画や大作アニメがクソゲーの源泉となっていた過去があり日本ではキャラゲーのカーストはやや低いわけだが、CGアニメってゲームと映画の間を埋める可能性のあるコンテンツだと思う。先入観持たずにプレイしてほしい。

2006.02.18 |  第221回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。