第238回

11月7日「オタクはお嫌いなのかなぁ?」

・「X-boxカフェ」に行ってみた。表参道の紀伊國屋跡に特設されたホールだ。発売前のX-box360対応ソフトを並ばずに遊べる穴場である。

・綺麗でお洒落で、良くも悪くも80年代的な空間。青山あたりのバーでモデルを口説いてる広告業界人的センスというか。ゲームショウやショップ店頭イベントと違ってど真ん中のゲームマニアが入りにくいような雰囲気は、狙いなのかなー。360は「ゲームの一般化」という戦略をもって、泥をくぐらずにスマートに売っていくつもりなのだろうか。

・360は素晴らしいタイトル揃いだが、欠けているのは「必然性」だと僕は思う。進化形であり斬新性はないのだ。ハードごと買わせるようなマニアックな魅力を真剣に訴求しなくてはならない時機に、かっこつけてて大丈夫なのかしらと思う。余計なお世話ですが。

11月8日「商売がたきの皆さんに」

・A系フリーペーパー『マントラ』のインタビュー受ける。クリエーター志望の方々向けの媒体である。PS3参入に必要な初期資金は20億円だ、なんて報道がなされてしまう時代の、若い独立系クリエーターの戦略について話した。冬コミ配布の号に載ります。

・来年どんな活動をするか、と聞かれて答えるうちに、ネットを活用し、直接受け手に向けて書くスタイルの仕事が多いことに気づいた。じゃあみんな商売がたきってことになるじゃん。

11月9日「かめはめ肩」

・朝から腕が筋肉痛で一体なんだこれはと思っていたが、無意識にまた『ドラゴンボールZ・バトル体感格闘かめはめ波』を始めていて気づいた。明らかにこのゲームのやりすぎなのだ。

・完全に中毒になっている。そしてこれ体脂肪が3日で1パー落ちるほどの運動量だ。体感ゲームにありがちな左右非対称の不自然な動きではなく、両掌をむすんでひらいて、とか、両腕を上下にスライド といった健康体操的な動きがほとんどなのだ。運動不足の人にマジお勧めである。

・さてバンダイがXaviXチップを使ったソフト・ハード一体型ゲーム機をいろいろと企画してるって話をこないだ書いたけれども、その中に思わず膝を叩く商品企画があり、及ばずながら協力させて頂くことになった。続報します。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。