第241回

12月2日「中野系オタクに朗報」

・中野ブロードウェイについてはアスベストは一切使われてないようなのでオタクの皆さん安心して下さい(図面調査だけでなく、壁や天井ひっぺがしてみたこともあるから間違いない)。1966年建造の巨大ビルなのにこれは奇跡的だよ。

・新築当時は政府高官なども入居予定だった、というのがその理由という噂……とゆーことは、最初からわかってたんじゃないのか!?

12月3日「サイレンで泣く」

・『サイレン2』体験版をプレイ。このゲームは非常に怖く、それはもう嫌悪感に至るほどのものなのだけど、そこに一種のフェティッシュな快楽がある。これは屍姦に似た快楽かもしれない。そしてこれを快楽として感じている自分に愕然とする。

・深層心理に入り込み、本人ですら気づかなかった変態の素養を揺り起こす。優秀なゲームにはそういう力がある。

12月8日「ライターモード」

・『メフィスト』最新刊が届く。「プレイヤー」という小説を書いてるので、よろしく。ゲームおたくの殺し屋の話です。今回で遂に完結です。タイトルの意味も、最後にわかって頂けるはずです。

・暇になったのでまたこりこり小説を書いている。この作業はものすごく楽しいだけの時間なので、専業になろうかとしょっちゅう考えては思いとどまる。

12月9日「デジタルメディアを見る視点」

・DCAj主催の「デジタルコンテンツグランプリ」審査会。今年で20周年だという。

・あらゆるコンテンツがデジタル化されデジタルのインフラ上で輸送され表示されるようになるにつれ、この表彰システムの対象も広がっていった。今年のノミネート作品もゲームやネットサービスはもちろん、アニメや映画、あるいは書籍までが並んでいる。他の賞と比較すると、「デジタルという形式の可能性」という審査視点が非常に重要になってくるわけだ。

・個々の候補作を掲げるわけにはいかないが、名作・ヒット作を並べると、とても面白い傾向が見てとれる。受賞作発表時に、また書きます。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。