第304回

3月20日「ミ(゜θ゜)彡」

・ニワンゴ社に。技術者の方々から、話題のニコニコ動画やニワンゴ郵便について詳しく教えてもらう。なるほどコレ応用してさらにいろいろなことができそうですね! ニワンゴはケータイの可能性をうまく生かしているプロジェクトだと思う。他にもいろいろと面白いネタを抱えてるみたいなので、要注目。

・たとえば2ちゃんねるは古今東西前例のない文化現象として捉えられるものだ。その真髄を一番リアルに理解している人達が今このあたりにいる。そこにある価値を壺の外に取り出して実体化することができれば面白いことになる。

3月22日「漫画とバンド・デシネの違い」

・『ルネッサンス』試写。2054年のパリを舞台にしたフル3D-CGアニメーション。

・フィルム・ノワールすなわちモノクロ時代の犯罪映画を意識したテイストである。全編、極めてティントのきついモノクローム、というかトーンなしベタだけで描いたマンガのような映像が最初から最後まで続く。しまいには目玉が焼き付きを起こしそうである。その中で実写と同寸のキャラクターがリアルな演技を見せる。設定も、元刑事の渋い中年男が失踪した女性科学者を捜しているうちに巨大企業の陰謀に巻き込まれるというハードなもの。

・フランス作品だが、押井作品や大友作品へのリスペクトを表したキーワードやシークエンスが多出する。ただしこのクリエーターはアニメをアートとして捉えているようだ。この作品は、アート映像の長大化というプロセスで創られたものなのだ。例えば絵として完成されていても、よほど目をこらしていないと意味のとれない構図のシーンがとても多い。目もさめるほど美しいが、わかりにくい。

日本のアニメは、徹底したエンタテインメントからスタートしていることが強みなのだと再認識。

3月23日「次はU-5の時代か」

・ハロプロ・キッズあたりに夢中になってる大きなお友達のことをロリコンとか言うのは違うような気がする。U-15だろうが小学生だろうが大人の色気をまとって出てくるタレントに惹かれるのは普通の感覚なのだ。ただ「花やしき少女歌劇団」にはぶっとんだ。これ本物のXX混ざってるんじゃないか?

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。