第389回

11月12日「文鎮としてもいい」

・『ポメラ』が意外なほど使えたので、iPhoneも購入。このマシン、いらないと思い込んでいたけど、ネット端末専用として割り切るのならこんなにすばらしいツールはない。『ポメラ』とこれの2台で仕事はほとんど済んでしまう。どこにいてもストレスなし。

・20年前に個人事務所を始めた時は、200万のローンを組んでワープロとコピー機とファックスを揃えた。毎朝図書館に行って5種類の新聞を読み、毎週1回大宅図書館に行って雑誌情報を絶やさないようにした。それが最低限のことだった。今は、楽になったなー。こんな時代になぜ、就職なんてしようと思うんだろう?

11月13日「完売らしい」

・以前インタビューして頂いたやずや・やずやさん(講談社の批評家育成プロジェクト・ゼロアカ道場「チーム1980」)から同人誌『ケフィア』届いた。ものすごい密度の本だ。イベントで参加同人誌中1位だったらしい。おめでとうございます。

・僕のページも、とりとめのない話を良い原稿にして頂いていて、有り難かった。取材から完成まで、お忙しい中、こちらにまで細やかに心配りくださって、感心した。編集力だけでなく、きちんと気持ちよく仕事を進めるプロデュース力もある人だよ。

11月14日「秋」

・中野ブロードウェイは壁面を蔦が覆っている。それどころか部屋の中にまで入り込んできている。今の季節それが紅葉して、目が眩むほど美しい。

・窓の外には、東京と思えない廃墟が広がる。この場所のこの瞬間の特異性をよく記憶にとどめておこう。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。