第398回

1月15日「ちゃんとお客に売って稼ぐ」

・出版プロデューサーの某氏と会う。出版不況は、想像以上のようだ。特に雑誌の広告収入の激減がきついという。

・ただしそのおかげで「ちゃんと売る」ないし「ちゃんと読者に届くものを作る」という風潮が出てきているという話があった。これまでは広告さえ入れば売れ行きなんてどうでもいい、という風潮があった。だから部数を水増し発表するところもあったりしたわけだ。しかし、今後重要なのは販売の収益でぎりぎりでも採算がとれている出版物、ということになる。

・マイナージャンルの専門誌などが見直されているらしい。少部数でも値段を上げたとしても支持層にきっちり固く売れ続ける、そういうものが求められるわけだ。これって、もしかしたら健全なことかもね。

1月16日「渡辺君に言わせると」

・講談社BOXの太田さん、刷り上がったばかりの新刊『吐田君に言わせるとこの世界は』を持参してくれた。おなじみの銀の箱ではなく今回は「講談社BOXピース」の1冊として、コンセプチュアルなデザインで仕上げて頂いている。書籍の、「モノ」としての価値をその中身つまり小説の内容と一致させることにこだわり、太田さんにもデザイナーさんにも苦労をかけた。ちょっと特殊な装丁だし、ぜひ、触ってみてほしい。

・一人一人に手渡ししたいくらいに大事に思っている本です。もし気にいったら、あなたの大切な人にも、おすすめしてください。よろしくおねがいします。

1月20日「祭りの季節だ!」

・今日は新宿伊勢丹のサロン・デュ・ショコラ2009 (パリで行われている「チョコレート祭り」の出張版/26日まで) プレビューに。

・初めての方は、ショコラバーで好みのチョコレートを吟味するところから始めるといいね。ボンボンショコラ3個と飲み物を1,050円。追加3個で840円。

・アンリ・ルルーのブースではC.B.S(塩バターキャラメル)のアイスクリーム(=写真)が出ていて劇的においしかった。マゼのブースではプラズリン(アーモンドキャラメル)のメイキングを見ることもできた。去年瞬殺で売り切れていたベルナシオンのボンボンなど大量ゲット。ごめんなさい。当分また3食チョコレートで暮らすことだろう。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。