第418回

6月4日「=ムシの日」

・秋に向けて鈴虫の飼育を開始している。今まで、鈴虫が肉をもりもり食う雑食性だとは知らなかった。油断すると共食いまではじめる旺盛さなのだ。あの美しい鳴き声には、肉のパワーがあるのだ。

09061201.jpg

6月5日「ノベル実況」

・ニコニコ動画でいろいろな実験を続けている。例えばニコニコ生放送を使って、ライブで小説を書いてみたり。

・いつもの作家飲み会の現場の片隅で、カフェの仕入れ記録なんかに使っているノーパソに書いて、その画面を再撮影して流した。デスクトップをそのまま流す方が見やすいとは思ったが、今後いろいろな作家さんやマンガ家さんがそれぞれ自分の使い慣れた環境を持ち込んでやってくれる可能性を考え、汎用性のある方法で実験しておきたかったのだ。ケント紙や原稿用紙に手がきの可能性もある。

・1画面で読み切ってもらいたいということもあり、100文字ぴったりで書くことを決めた(これにこだわり過ぎてもたついてしまった)。設定とストーリーは頭の中に用意していたのだが、小説って書きながら考えることがとても多い。それは、頭だけでなく指先で考えるという感覚なのである。その指先思考に対して視聴者に直接アクセスしてもらう、というイメージだ。

・コメントから、つまり視聴者の方が出してくれたアイデアを、かなり採用した。わかりにくいところや矛盾点の指摘だけでなく適切な言い回しをもらったり、1本はタイトルまで、視聴者案をもらった。そして30分でショート・ショートが3本できた。

・企画に共感してくれた佐藤友哉さんが、別の予定をキャンセルして駆けつけてきてくれた。後半の30分は、ネット時代の、ライブ時代の作家のスタンスについて佐藤さんといろいろ話した。

6月8日「旗立てた!」

・ニコニコ動画でニコニコチャンネルGTV仮オープン。公開しつつシステム検証などを行い、7月に正式オープン予定です。
※おお、偶然だけど同じ日に『SPA!生ちゃんねる』もオープンしましたね。

・全てのコンテンツはそれを大好きな人が作り、大好きな人が語り、大好きな人が買う、べきである。当たり前のことのようだが、今まではそうではない状況がたくさんあったのだ。例えばお金だけのためにいやいや作った作品を、それに全く興味のない人が宣伝していたり。しかし、ニコニコ動画におけるゲーム実況の盛り上がりと、それが売り上げに与えているインパクトを見ると、ここで大きな変化がやってきていることに気付くことができる。

・そう、その波は最初にゲームシーンにやってきたのだ。特にニコニコ動画の使い方に悩んでいるというゲームメーカーさんは、連絡して頂きたい。取りあえず何かやってみましょう。やってみないとわからないって。

・急告。次の生放送は、6月12日 (金) 19:00から。LAから帰ってきたばかりのジャンクハンター吉田さんによる「E3」映像リポートです。その次は6月18日あたりに、何かやります。現場(カフェ)に遊びに来たい人いますか?

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。