第428回

8月11日「PS 3D!?」

・10月開催予定の「国際3Dフェア 2009」をお手伝いしている。その関係で、リアルD社の長谷亙二代表のご厚意により「リアルD」システムの専用試写室にお招き頂いた。

・ハリウッド映画をはじめ、ライブコンサート、スポーツなど、最新3Dコンテンツを一気に観る。アメリカでは3D対応の映画館が3000拠点を突破していて、完全に新しいマーケットとなっている。巨費をかけて専用ソフトを制作しても、十分に採算が見込めるのだ。

・最新タイトルを一気に観て、臨界点を突破したな、という印象を持った。赤青メガネの時代からイメージを更新していない人は、最新システムで3Dコンテンツを見たら驚くと思う。カラーテレビやビデオゲームが登場した時くらいの、広い層に伝わるインパクトが、ここにはある。

・8/9付け東京新聞に、PS3が3D対応になるという記事が載っていた。「制御ソフト」を使うということ。すなわち対応のオリジナルタイトルを待つ必要はなく、過去のタイトルでもリアルタイムでポリゴンを動かしている 3D-CGゲームなら立体視で楽しめるようになる、ということだろうか。もしかしたら9月の東京ゲームショウで体験できるかもしれない。

8月12日「ヨシナガさんと」

・ヨシナガさんと打ち合わせ。そう、あの『僕の見た秩序。』の人! 

・ヨシナガさんと渡辺浩弐の組み合わせは意外だと思う人がいるかもしれない。実は彼が学生の頃からの付き合いなのである。僕が講師で彼が学生という立場でありながら、逆に僕が教えてもらうことの方が多かったような記憶がある。理系ばりばりの彼がその後、映像アーティストとして頭角を顕わした時には驚いたが、その後おかしなサイト(というか、彼のものの見方の面白さをまんまウェッブに投影する仕組み)を始め、すぐにとんでもない人気を集めてしまった時にはさらに驚いた。多才なのだけど、一本筋が通っている。その筋とは「好きなもの」(ないしは「好きなものに対する自分自身」)に対する責任感、である。

・僕秩を毎日更新しつつ、一流企業に就職し、サラリーマンとしてもきちんと生きてることもすごい。そのノウハウをまとめた『ハイブリッドワーカー』という本が発売になった。「副業という仕組みを使って、クリエーターとしてがんばる!」というものだ。

・さて、そんな彼が誘ってくれたのが小学館&ニフティpresents『瞬刊リアルタイム~世界で一番速い出版イベント~ 第一号(創刊号)』というイベント。なんと、その場で雑誌を作って出版するんだって!!  僕の持ち時間は20分しかないけど、その時間内にできることを、がんばります。

8月13日「東京都心で自給自足」

・トマトが色づいてきた。主食としてはジャガイモの次にサツマイモを育てている。冬季の食糧のことを考えると、実が生る木を植えてみようかなとも考えている。鈴虫はものすごい音量で鳴き始めた。そういえば今年はポケモンラリーに行かなかった。

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。