浅草のお土産屋のオバサンは英語ペラペラ――外国人観光客おもてなし力を覆面調査
政府は東京五輪の2020年までに、年間訪日外国人の数を4000万人に増やすと発表。そんなニッポンの「英語おもてなし力」は大丈夫かを確かめるべく、抜き打ち調査を各所で実施。TOEIC860点、英語圏在住歴ありなどの記者が日本の国際化対応力を検証した。
浅草は東京の代表的な観光地。まず人力車の車夫に「ここから新宿に行きたい」とムチャ振りをしてみると、「それなら3時間コースで3万円です」と返答。「ていうか3時間も走れるの?」と聞くと、「I’m OK(大丈夫)」。流暢な英語で代案も提示してきた。
浅草寺の寺務所は、マニュアルがあるのか英語レベルは平均的に遜色がなく、お守りについても「Lucky charm」などと説明。ただ、「Priest(僧侶)と写真を撮りたい」と言うとマニュアル外だったのか誤解され「Kannon and Budda is secret(観音と仏陀は公開できない)」との返答だった。
寺内の寺務所には英語担当とみられる僧侶がおり、護符の意味と目的を流暢に説明。しかし大学生アルバイトらしき職員に寺と神社の違いを聞くと、スマホで検索しながら「神社はゴッド。寺はヒューマン」と苦しげに回答した。
お土産屋は場所によって落差があったが、鯉口シャツ専門店の50代女性店員は英語力、おもてなしともに驚異的だった。花柄や江戸小紋の成り立ちなどを流暢な英語で説明し、東南アジア人を装った記者が「母国の父親に似合うものが欲しい」と言うと父親の背格好から容貌までを事細かに聞いてくるため、こちらが困惑するほどだった。
また、土産屋では70代とみられる女性店員がボキャブラリー、イントネーション、発音ともに高いレベルの英語を駆使し、でんでん太鼓やけん玉など伝統玩具の用途や構造、そこに描かれていた桃太郎のあらすじまでほぼ完璧に解説。感動し、思わず玩具を購入してしまった記者であった。会計時にはなぜ消費税が付くのかも英語で説明された。
【浅草の調査結果】
英語力 ★★★★
おもてなし ★★★★
※5点満点
一方、上野アメ横は特徴的だった。香水店で「母国の父に似合う香水は何?」と英語で聞くと「お父さん世代向けならこれかな」「お父さん60歳? じゃあSAMURAIがいいね」。ここまですべて日本語だが、おもてなし力は抜群。
また、ウニ(5980円)と中トロ(1800円)を2000円で売りつけてくる魚屋には「ホテルで食えるのか」「どう料理するんだ」などと英語でまくしたてると、一切ペースを乱さず「ホテルに頼めば料理してくれる」「刺し身にすれば部屋で食える」と日本語でゴリ押し。不思議な問答だった。

浅草のオバサンは英語ペラペラ!
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