安倍総理の真珠湾訪問では、ハワイにある特攻隊記念碑にもお参りをしてほしい【評論家・江崎道朗】
一つ象徴的な例を挙げると、アメリカの首都ワシントンで安全保障関係者と話をすると、「中国」のことは「China(中国)」と表現するが、ハワイの太平洋軍司令部の関係者は、食事など私的な会合の席では、中国のことを「Enemy(敵)」とつい表現することがある。それほど、首都ワシントンとハワイとでは、中国に対する温度差があるのだ。
何しろハワイの太平洋軍は、南シナ海での中国の「侵略」や尖閣を含む南西諸島に対する「軍事的挑発」に対して、ピリピリせざるをえない。
それだけに、日本政府の関係者たちが太平洋軍司令部に来て、尖閣について何も言及しない現状については怪訝な思いでいる。とくに民主党政権時代、日本の政治家の一部がハワイに来て、観光とエステに興じている姿は、米軍関係者たちの失望を強めることになった。
2014年秋に、私がアメリカ太平洋軍司令部で打ち合わせをしていた際に、私のほうから尖閣防衛について話を持ち出したとき、相手のアメリカ太平洋軍の関係者たちが見せた、嬉しそうな顔はいまも忘れることができない。
(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio
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『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』 経済的安全をいかに守るか? |
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