更新日:2022年08月19日 10:02
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安倍総理の真珠湾訪問では、ハワイにある特攻隊記念碑にもお参りをしてほしい【評論家・江崎道朗】

ハワイ版の靖国神社

 同じくハワイには、ハワイ版の靖国神社もある。アメリカ軍の戦没者墓苑であるパンチボール戦没者墓苑の近くに、マキキ日本海軍墓地があるのだ。ここには、明治9年から明治32年の間にハワイ方面海域で病没した日本海軍水兵たちの墓とハワイ周辺海域に眠る日本海軍将兵の英霊を祀る鎮魂碑がある。  日本海軍は明治以降、世界各地、とくにアメリカには頻繁に遠洋航海に出かけ、その途次で多くの軍人たちが病没しているのだ。  病没軍人の墓地であることから、厳密に言えば戦没者の御霊をおまつりする靖国神社とは性格が異なるが、地元ハワイの日系人たちは戦後も、この墓地を懸命にお守りしてきたし、自衛隊もハワイに立ち寄ると必ず追悼行事を実施している。  安倍総理は年末12月26日、27日とハワイを訪問し、真珠湾のアリゾナ記念館にお参りするという。日米の和解のため、アメリカ兵を追悼することは重要だが、ハワイには、アメリカ海兵隊が建てた日本人特攻隊の記念碑や日本海軍墓地があるのだ。これらの記念碑や墓地にもお参りし、ハワイで果敢に戦い、いまなおアメリカ軍から敬意を表されている日本軍人の勇気と愛国心をも讃えてもらいたいものだ。  そうすれば、日本軍の勇敢さに敬意を表しているアメリカの軍関係者は、「軍人の勇敢さを理解する優れた指導者だ」と、安倍総理に対する敬意を強めることになり、結果、日米同盟の絆をさらに強めることになるだろう。
江崎道朗

撮影/山川修一

【江崎道朗】 1962年、東京都生まれ。評論家。九州大学文学部哲学科を卒業後、月刊誌編集長、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、外交・安全保障の政策提案に取り組む。著書に『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』(展転社)、『日本人として知っておきたい皇室のこと』(PHP研究所)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社)、『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』(青林堂)など
(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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