更新日:2022年08月19日 10:12
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井伊直虎って女性なのか!? 来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」先取り人物事典

亀之丞は信州へと亡命 出家して「次郎法師」を名乗る

 「おとわ」と呼ばれていた時代、彼女は宗家の娘として、何不自由なく過ごしていた。  が、間もなく悲劇が起きる。井伊直満(亀之丞の父)が今川義元に誅殺されてしまった上に、当時のならいで息子の亀之丞(当時9歳)にも殺害命令が出されたのだ。直虎の許婚者であり、井伊家宗主候補だった亀之丞は、かくして信州へと亡命し、消息不明となってしまう。  若かりしおとわが絶望の底へ突き落とされたのは想像に難くない。  当時の女性の結婚適齢期は13歳前後と言われている。その年頃になったおとわは、なぜか自分で自分の髪を切り、大叔父の南渓和尚(なんけい・龍潭寺二世住職・小林薫さん)の元へ出向いた。 「出家したい。尼の名前を付けて欲しい」  それを聞いたおとわの両親(直盛・千賀)は驚いて、「尼の名だけは付けるな」と南渓和尚に迫ったという。両者の板挟みにあった和尚は、親の意を汲んだ「次郎」という俗名と、娘の意を汲んだ「法師」という僧名を合わせ、「次郎法師」と名付けた。 ※このあたりのヤリトリは、江戸中期に祖山和尚(龍潭寺九世住職)によって書かれた『井伊家伝記』に、まるでその場にいたような描写で書かれている  おとわが「出家したい」と考えた理由は 「(亀之丞はいつか帰ってくると信じて)愛を貫くため」  すなわち、次々と舞い込む縁談を断るためとも 「(亀之丞が死んだと信じて)いいなずけの菩提を弔うため」  とも言われている。  ドラマ風にアレンジするならば、おとわは亀之丞だけを永遠(とわ)に愛したのであった。
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桶狭間で直盛が死んだけど、直政が生まれた
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