ディーゼル復活の立役者マツダ。でも最大の武器はディーゼルじゃない!
私はスカイアクティブDが出た時、「今後、欧州メーカーが競ってこの技術を買いに来るのではないか?」と思っておりました。なにせ5年前、ディーゼル排ガスを低コストで浄化する技術は、マツダしか持ってなかったのですから。
ところが、その予測はカンペキにハズレました。マツダのスカイアクティブDを採用した他メーカーは今のところゼロ。マツダと技術提携してるトヨタくらいは買ってもいーんじゃないかと思いましたがねえ。
経営的にも、マツダがディーゼルを売っているのは日本と欧州市場で、北米や中国ではガソリン車しか売っておりません。スカイアクティブDが貢献したのは、主にイメージ的な部分なのでありますね。フォルクスワーゲンのディーゼル不正も、目的はコスト削減じゃなくドライブフィールの改善だったようで、結局ディーゼルの本場である欧州メーカーは、触媒や尿素SCRなどの高価な排ガス後処理装置を使って頑張っております。
その流れは、プジョーシトロエングループが1.6ディーゼルに尿素SCRを投入した時にハッキリ見えました。あっちはあっちで、高価な技術を大量生産することでコストダウンを図る所存なのであります! 敵もさるもの、そう簡単に日本の軍門には下りませんでした。無念。
というわけで、孤軍奮闘を続けるマツダは、この2月に新型CX-5を発売いたします。北海道でそのプロトタイプ車に試乗してまいりました。
スカイアクティブD2.2のスペックは、175馬力/420Nmのままで、基本的な性能はまったく変わっておりません。ボディサイズも先代とほとんど同じです。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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