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男の格好のままだと気づけない「女同士の会話のルール」がある【カリスマ男の娘・大島薫】

見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

大島薫

著者の出演映画『歌ってみた 恋してみた』のシーンより

「薰ちゃん、今日の服かわいいね!」

 女友だちからそんなことを言われたときのベストな対応を、女装歴12年にしてやっと知った。

「ありがとー! 〇〇ちゃんも今日髪型変えてきたんだ。かわいい!」

と、おそらく彼女が今日1番気合を入れてきたであろう部分を探して返す。男性の見た目のときや、女装を始めたてのころはこんな言葉など思いもつかなかった。

 女性は生まれたときから『女性』というわけではないなと感じる。いや、そりゃ生まれたときに身体が女性なら女性だし、男性なら男性でしかないだろという人も多いだろうが、いいや、決してそうじゃない。

 女性だって、男性だって生まれたばかりのころは何も知らない子どもだ。女の子も泥だらけになって遊ぶし、男の子もクマのぬいぐるみを愛でたりする。それを物心つき始めるときに、両親や学校から「女の子なんだから、もっとおしとやかにしなさい」とか「男の子のくせに泣かないの」とか言われてだんだんと「女性」と「男性」になっていく。

 学校なんかもそうかもしれない。女の子が友だちと話しているときに何かに同意しなかっただけで、空気が読めないという扱いを受ける。そうして、だんだん「女性」のルールに染められていく。

 メイクだって、レディースファッションだって、女の子ならいきなり誰でも使いこなせるわけではないだろう。ボクは本格的に女装姿で生活するようになったのは23歳のころ。もちろん心も身体も女性になったわけではないが、女性のフリをして生活し始めた歴は4年。女性歴4年のようなもの。20歳の女性がいれば、それは女性歴20年ということだけど、ボクは28歳男性の女性歴4年なのだ。

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女装をしていると「女性同士の会話」を求められる

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