更新日:2017年11月18日 00:10
スポーツ

「ドラゴンゲートはプロレスを利用した“娯楽”」唯一無二のパワーファイター・鷹木信悟の信念とは【最強レスラー数珠つなぎvol.11】

――子供の頃からスポーツがお好きだったんですよね。中学は野球部で、高校は柔道部。 鷹木:体を動かすのは好きだった。小学校のときに兄の影響で少年野球に入ってたから、中学は流れでそのまま野球部に入ったけど。実は小学校高学年のときに「強くなりたい」という気持ちになっていて、空手をやったり合気道をやったりしてた。中学に入ったら柔道を始めて、けっこう熱中したかな。 ――プロレスに目覚めたのはいつ頃ですか。 鷹木:小学校6年のときに初めて生のプロレスを観て、別世界というか、こういう人たちはみんな化け物なんだろうなと思ったんだけど。でもやっぱり強くなりたいという欲があったから、武道とかの方向に進んでいった。プロレスラーになろうと思ったのは、中学2年くらい。なれるわけないと思ってたから、悶々とした夢だったけど。 ――初めて生のプロレスを観たのは、どの試合? 鷹木:IWAのテリー・ファンク対ヘッドハンターかな。体を鍛えた男たちがぶつかり合うのに魅力を感じた。人間、鍛えたらあそこまで強くなれるのか、強靱な肉体ができるのかと。男として強くなりたいという憧れがあった。 ――大仁田厚さんに憧れていたとか。 鷹木:テレビに出ていることが多かったから、プロレスラーと言えば、ジャイアント馬場、アントニオ猪木に次いで、大仁田厚っていうのがあったんだよね。師匠である浜口さんもそうだけど、大仁田さんの熱さに憧れてた。歌手なんかでも長渕剛さんが好きだし、熱い人間に惹かれるところがあると思う。 ――アニマル浜口ジムに入ったのはなぜですか。 鷹木:中学のときに進路希望調査で、「全日本プロレス、新日本プロレス、FMW」って書いたら、先生に「どうやったらプロレスラーになれるか調べてみろ」と言われて。それで町の図書館に行ったら『プロレスラーになる方法』という本があって、「アニマル浜口ジムのレスリング道場の出身者が多い」と書いてあった。そこに行けばプロレスラーとして基礎を学んで強くなれるんだ、っていう純粋な鷹木少年の考えだな。 鷹木:中学を卒業したらすぐに道場に入りたかったんだけど、母親に「高校くらい行きなさい」と言われて。父親も、「柔道も強くないのに、いきなり名門の道場に行って通用するわけないだろ」と。それもそうかな、そんなに甘くねえかな、って子供ながらに思った。まずは柔道で結果を残さなければと思ったから、高校に行って柔道部で頑張った感じかな。 ――高校卒業後、念願叶ってアニマル浜口ジムに入られました。新日本プロレスの内藤哲也選手と同じ時期? 鷹木:内藤は俺よりちょっと先。みんな高校を卒業して全国から集まってくるけど、結局残ったのは少なかった。半年、1年と経てばいなくなる。それなりに厳しいし、どこかで挫折しちゃうんだろうな。現実を知るというか。テストも受けずに帰っていく奴もいたし、怪我で断念っていうのも見てきたし。 ――いまでも浜口ジムに通われていますよね。 鷹木:道場に出ることはなかなかないけど、調整でちょっとウエイトトレーニングをやりたいときとかに行くね。昨日も行ったんだけど、15、16年前のことを思い出した。高校卒業してすぐ上京したよなあ、とか。当時の気持ちを忘れないために行くんだよね。 ――アニマル浜口さんとは、いまも交流が? 鷹木:昨日も会って、道場のマットの上でいろいろとご指導いただいたよ。「試合前に早口言葉を言え」とか。早口言葉を言うと脳が活性化して、リング上で一瞬の閃きが出来るぞ、っていう。それと、大声を出せと。邪気邪念を取り除くために。あといつも、「明るく元気に陽気にやれ」と言われる。 ――中学のとき「新日本、全日本、FMW」を希望していたのが、なぜドラゴンゲートに入団したのでしょうか。 鷹木:当時はちょうどプロレス界も変革期というか。プロレスラーを目指す我々にとっては、ちょっと異変が起こっている時期だったんだよね。総合格闘技が伸びてきてたから、新日本プロレスは格闘技路線で、全日本プロレスは分裂、FMWは倒産……。「プロレス界、大丈夫か?」みたいなところがあって。そういった中で、闘龍門がすごく安定して見えた。 鷹木:元々は興味なかったんだよな。体の小さい人が女性向けにチャラチャラしたプロレスやってる、みたいに思ってた。浜口道場の仲間に「観に行こう」と誘われたときも、「俺あそこ好きじゃねえんだよな、学生プロレスみたいなノリでやってるんだろ」と。でもいざ観に行ったら、すごくレベルが高くてびっくりした。なによりも、お客さんを満足させているプレイヤーが多いなあと。そういったところで魅力を感じた。
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ドラゴンゲート入団からの挫折・苦労
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尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko

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■Fortune Dream 4
http://www.fortune-kk.com/pages/20170614.htm
【開催日】2017年6月14日(水)
【開場時間】17時30分
【開始時間】18時30分
【会場】後楽園ホール

■KOBE プロレスフェスティバル2017
http://www.gaora.co.jp/dragongate/release/tour.html
【開催日】2017年7月23日(日)
【開場時間】13時30分(予定)
【開始時間】15時00分
【会場】神戸ワールド記念ホール
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