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食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち?

生きゅうりではなくピクルスに。工夫次第でNG食材も安全に

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食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち?

煮物は煮切ることで汁気が残らないように。出汁巻き卵は硬めに仕上げたほうが汁が出ず夏場は安心(写真・東京笑顔)

 しかし、前述した危険を伴う食材も、味付けなどの工夫でリスクを減らせる場合も多いとか。 「もやしも、しっかりと加熱する、お酢を使うレシピにするなどで細菌増殖リスクを低下させることができます」(同氏)。  お酢のほか、ワサビやしょうが、カレー粉に使われるクミンやクローブといったスパイスにも制菌効果がある。また加塩・加糖を通常よりもしっかりすることで水分活性を抑え、菌が増殖しにくくなる作用も。「塩漬けや糖漬け、干物が日持ちするのは水分活性を下げているから。きちんと糖分や塩分と結合した水は菌が増えるために利用できない」(同氏)。  具体的には、生のきゅうりの代わりにピクルスを使ったり、塩胡椒やワサビを入れてしっかり味付けすると食中毒リスクを減らせる上、おいしく仕上がる。 食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち? さらに、加熱の次に鍵となる行程が冷却だ。  ある程度の量を作るのが前提となるつくりおきの場合、アツアツのおかずを深いタッパーに入れて保存……となると、中のほうが冷却されなくて腐敗、菌の増殖が進む原因になる。  料理は加熱して広げたり、小分けにしたり、器ごと冷水で速やかに冷却するのが基本だ。「十分に冷ましてからの盛りつけが基本。家庭の場合、お弁当箱の下に保冷剤を置き、冷たいものは後にしてごはんなど温かいものを先に盛り付けて冷ましてしまうのも有効な手段と言えます」(同氏)。

菌の増殖を防ぐ必須アイテム。まな板は安いものを買い換えよ

食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち?

煮物はキッチンペーパーで水気を吸い取ってから詰めるのが効果的。(写真・笠原さんちのお弁当・月曜日)

 調理する上で注意すべき道具はまな板だ。 「まな板は材質が木だと傷がつきやすく隙間に菌が入り込みがち。完全な漬け込みによる除菌も難しく、菌が繁殖しやすいとされています。なにより値段が高く買い替えに勇気がいるので、家庭レベルならば安価なものを頻繁に取り替えるのも手です」(同氏) 食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち? ちなみに、人の常在菌である黄色ブドウ球菌などが原因で傷むこともあるおにぎりは、エンボス手袋やラップを使うなどして、素手で握らないことが第一。  すべてを完璧に実行できなくとも、こういった小さな意識の積み重ねで一般家庭での食中毒リスクは大幅に減らせる。ぜひとも参考にしてほしい。 <取材・文/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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