モチベーションは過去にある。方法論じゃない[魂が燃えるビジネス]
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第24回
「私はどうすればいいのか?」
コーチングをしていると、この質問をよくいただきます。しかし、それに答えることはできません。また仮に何かしら答えたとしても、さほど変化は起きないでしょう。
痩せるにはどうしたらいいですか? 暴飲暴食を避けて、適度に運動すればいいですよ。志望校や資格にパスするにはどうしたらいいですか? 筆記にしろ実技にしろ目標を定めて、他のことに浮気せず集中するといいですよ。恋人をつくるにはどうしたらいいですか? それには……。
どんな質問にも「こうしたらいい」という答えはあります。しかし、その答えを人から与えられたとして、私たちはそれを実行できるでしょうか。「わかっているんだけど、それができないから困っている」というのが実際でしょう。
そういった苦しみ、困難から脱け出すのに役立つのが「意味」です。自分がなぜそれをやるのか? その理由が自分の人生の一部として明確になると、私たちは自然と物事に集中できるようになります。
そしてこの「意味」というのは成果ではありません。これをやると人が集まる、評価される、有名になれる、お金になる、効率がいい、合理的だ、といった理由はびっくりするくらい私たちの動機になりません。これはとくにビジネスにおいて顕著です。
「これこれこういうふうにやれば上手く行くぞ」とビジネスや仕事について仕組みやビジネスモデルを思いついたとします。確かにその時はテンションが上がります。しかし、計画段階から作業段階に移り実際に手を動かそうとすると、まるでやる気が湧きません。頭の中に浮かぶのは、「なんで俺がこんなことやらなきゃいけないんだ?」という不満です。目の前にニンジンをぶら下げられても、私たちは駆り立てられません。
その人にとってモチベーションになるのは、自分の生活や人生と関わりがあることだけです。運動法、勉強法、ダイエット法、恋愛法。世の中には様々な法則がありますが、誰にでも当てはまる状態になっている時点で、それが個人の行動に火をつけることはないのです。
だからこそ、いつの時代も答えは「自分のうちにある」と言われ続けています。なぜそれをするのか? 「儲かりそうだから、世間で注目されているから、有名人がそれで成功しているから」といった理由を用意してもすぐにガス欠になるだけです。そうではなく、これまで自分が歩んできた十年、二十年、三十年のなかから、「だから自分はそれをやるんだ」という理由を見つければ、人生全体が自分の背中を押してくれるでしょう。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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