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「日本のスピード違反取り締まり」に異議あり! 実態に合わない制限速度にドライバーたちが怒り

検事総長も「制限速度を無視するほかはない」

 警察庁を管理する国家公安委員会委員長だった古屋圭司氏は’13年6月4日、実態に合わない制限速度について苦言を呈している。 「危険もない直線道路で制限速度20km/h超過を取り締まるのはどうか。真に事故抑止に資する取り締まり、取り締まられた側が納得できる取り締まりのために場所、時間帯、方法を見直していく」  実際、検挙されるケースの大部分が20km/h前後の超過だ。その方法は待ち伏せや覆面パトカーなどによる抜き打ち的なもので、実際に超過しているクルマの1%も検挙できていないとされる。古屋氏は全国の警察本部長に取り締まりの実態調査を指示したが、4年以上たっても北海道警などに浸透している兆しはまったくない。  制限速度設定に異議を唱えている今暁美弁護士は、道東の美幌町の国道243号で’95年、37km/h超過(制限速度は60km/h)で取り締まりにあったが、略式裁判ではなく正式裁判を選んだ。そのとき今弁護士が一貫して主張したのが「その速度で走って何が悪いのか」ということだ。現場の国道243号は周囲が畑ばかりで、見晴らしのいい一直線の道路。人もクルマもなく、快晴だった。  裁判では、この区間の死亡事故が6年間ゼロだったことを記載した「交通安全マップ」(北海道交通部監修)などの証拠をいくつも提出。その一つが伊藤栄樹・最高検察庁検事総長(当時)の執筆記事(’86年9月15日号『時の法令』)で、北海道でのドライブについて次のように記していた。 「六〇キロで走る車があると、たちまちそれを頭に数珠つなぎができ、反対車線へのはみだしでの追い越しが始まる。それが追い越し禁止区間であっても同様である。後続車を対向車との衝突の危険から守るためには、制限速度を無視してスピードをあげるほかはなさそうである」  今も変わらぬ北海道の道路事情だ。しかし警察は「トラクターの出入りや動物の飛び出しが多い。重大事故発生につながる危険性が極めて高い」と主張。裁判所も有罪判決(罰金6万円)を下した。
日本のスピード違反[取り締まり]に異議あり

北海道の一般道には、信号がなく見通しのよい一直線の道が多い。こうした道を制限速度以下で走ると、追い越すクルマが続出する

 さて、北海道警から「スピード違反を認めろ」と言われた記者は、今弁護士と同じく「片側1車線の道路で制限速度を守っていたら後続車の追い越しを招き、事故を誘発する」と主張。道警の見解を文書で要求、認否を保留していると、昨年12月には道警の担当者が記者の自宅まで来て「電話をください」との手紙を置いていった。  電話をかけると、担当者はあざ笑いながらこう言い放った。 「それで今弁護士は勝ったのですか? 負けた!? ハッハッハッ! 負けた裁判を引き合いに出すとは笑っちゃうな。制限速度で走っているクルマが事故を誘発すると思ったことはまったくない!」  古屋氏がいかに苦言を呈そうと、これが日本の警察のスタンスだ。<取材・文/横田一 写真/SPA!覆面LOVE隊> ― 日本のスピード違反[取り締まり]に異議あり ―
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