自衛隊はクーデターを起こす意思も能力もない。だから軍隊ではない――倉山満
日本の自衛隊の「クーデターを起こさせないようにする」とは真逆の思考だとわかろうか。自衛隊など「すごい武器を持った警察」にすぎない。これを「誰がどう見ても軍隊」など、日本列島を一歩でも出たら通じないタワゴトだ。
仮に日本が戦争に敗れ、外国に占領され、政府が乗っ取られ、阿鼻叫喚の地獄に陥った時、自衛隊はどうするのか? そうした政府を打倒するのが軍隊なのだが、憲法典の条文に「自衛隊」の三文字を書いてあろうがなかろうが、関係あるまい。
安倍自民党内閣は憲法改正で自衛隊を明記すると主張している。ならば野党は聞けばよい。「その場合の自衛隊は、クーデターを起こす意思と能力があるのか」と。あると答えれば私は賛成するし、ないと答えれば私は反対する。
改憲派が言うように、自衛隊に名誉ある地位を与えるのは結構。ならば、名誉ある地位とは、軍隊であることだ。自衛隊を軍隊にするならば、クーデターを起こす意思と能力を付与する、国民全体がそれを認めるということだ。
私は、自衛隊にクーデターを起こせと言っているのではない。今の自衛隊は、クーデターを起こせないほどに縛りつけられているのが異常であり、これでは軍隊ではないと言っている。
私は憲法改正を主張するなら、護憲派に対し「日本国は軍隊を持つべきだ。クーデターを起こす意思と能力のある軍隊を」と訴える。
相手に足る論争なら、どこへでも出向く。
改憲派に対しては、護憲派に対し「日本国は軍隊を持つべきだ。クーデターを起こす意思と能力のある軍隊を」と主張する覚悟があるかと問う。その覚悟がないならば、無意味だからやめたほうが良いと諭そう。
最後に改めて問う。
日本国は軍隊を持つべきか?
クーデターを起こす意思と能力のある軍隊を?1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中
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