更新日:2018年10月08日 01:11
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20代でタワマン生活から、刑務所、そして生活保護…更生の道はあるのか?

刑務所 一度道を踏み外した若者が更生する道のりは、我々が想像するよりもはるかに険しい。増田達也さん(仮名・29歳)は21歳の頃、在京の広域指定暴力団の準構成員として振り込め詐欺で逮捕され、懲役6年の実刑判決を受けた。逮捕時に組織から除籍されたものの、組織に入ったことで関係を断たれた家族との復縁は現在に至るまで叶っていない。結果、出所後に頼れる人間は誰もおらず、すぐに生活保護の受給を願い出たという。 「生活保護を申請したら30日以内に、役所は受給の可否の結果を報告しなければいけない。ただ、申請時に所持金が1万円以下だと『緊急保護』という扱いになる。実際僕は所持金が2000円程度しかなく、それを証明する通帳とキャッシュカードを提示しただけで受給がすぐ認められました」  受給額は約14万円。そこから家賃5万円を抜いた金額が増田さんの生活費となる。 「国は生活保護を受給するより働かせたいので、更生保護施設という共同生活の場も紹介されました。ただそこは服役後の高齢者が多くて、長い刑期を終えた自分にはもう、共同生活はキツすぎて」  増田さんは人とうまくコミュニケーションが取れないことを理由に勧めを断り、今は役所が用意した生活保護受給者向けの古びたアパートで暮らしている。 「最近、生活保護だと運転免許もタダで取れると知ったんです。俺、逮捕前はほぼタクシー移動だったので、免許を取ってなくて。運送屋のような職場を探して、『免許があれば雇用する』という書類を用意してもらうのが条件だそうです。でも、免許さえあれば自分が雇われるという気にはどうしてもなれなくてね。だって、履歴書に書けることなんて何もないし」  20代を丸々失った事実は、彼の将来に重い影を落としている。 ― [若者の貧困]どん底ルポ ―
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