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「もしあの時、ああなっていれば…」という負け犬思考から抜け出す方法

過去に対する自分の解釈を変えてみる

「過去」「現在」「未来」という区切りは人間が勝手に作ったラベルに過ぎません。実際の時間認識には区切りなどなく、ひと続きになっています。私たちには「過去と現在と未来のすべての時間」を肯定するか、否定するかの二択しかありません。  では、どうすれば元凶となった過去を肯定できるようになるのでしょうか。繰り返しになりますが、過去の出来事そのものを覆すことはできません。変えられるのはその出来事に対する「自分の解釈」です。  解釈と聞いて、あなたは「悪いことばかりではなく、良いこともあった」といったポジティブな面に注目する「慰め」を想像するかもしれません。でも、違います。大切なのは「悔しい」という感情にフォーカスすることです。  人間は自分のネガティブ感情を抑圧します。それはとてもシンプルな仕組みで、ただ感じたくないから次第に感じないようになっていきます。それで完全に抑圧できればよいのですが、実際はそうはならず抑えきれない感情が少しずつ漏れ出します。それが「後悔」の正体です。つまり「悔しい」という感情を抑圧した結果、いつまでも「後悔」という形で発現するということです。 後悔 こうした抑圧を解消するには、過去を振り返るしかありません。後悔というのは過去の出来事に対する「今の感情」です。そうではなく、その過去の出来事に対する「過去の感情」を思い出してみてください。もし「ああ、あの時、自分は負けて本当に悔しかったんだな」と認めることができれば、その時点で過去に振り回されなくなります。  人間の心は繊細微妙です。現在の「後悔」の感情と、過去の「悔しかった」という感情は似ているようで異なります。そして認識のポイントが少しでもズレていたら、抑圧された感情は解放できません。「過去の感情」を認識するにはちょっとしたコツがいりますが、普段から自分の思考について振り返り、その根っこにある信念を記録するメンタルレコーディングを続けていると、「あの時のこれが原因か!」と気づく瞬間がいずれやってきます。  人間は物事を主観で判断しています。「禍福は糾える縄の如し」であり、どんな選択にもポジティブとネガティブ両方の結果が続きます。先日、神社でおみくじを引いたら、勝負事の項目に「勝っても損あり」と書いてありました。このおみくじに書いてあるように、私たちは勝ったからといって得ばかりとは限りませんし、反対に負けたからといって損ばかりとも限りません。勝っても負けてもどちらにしても、損得の両面があるはずです。  しかし「望みが叶わなかった」という強烈な感情があると、そういった認識ができなくなり、とにかくネガティブ面しか見えなくなってしまいます。それが不幸の正体です。  人生に競争はつきものです。競争である以上、勝ち負けの区別は明確で、何をやっても負けが続くこともあるでしょう。しかし、それでもなおこの世に負け犬はいません。ただ自分で自分のことを負け犬だと思っている人間がいるだけです。  あなたは自分のことをどう思っているでしょうか。今日起きた目の前の出来事から、どんな想像を巡らしていましたか。私たちは過去、現在、未来について自分が巡らした想像通りの人生を歩みます。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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