振動でお酒が美味しくなる? 超音波でデキャンティングする「Sonic Decanter」
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第30回 ―
クラウドファンディング「Makuake」で600%の支援を達成した「Sonic Decanter(ソニックデキャンタ)」が2018年春に発売され、筆者はもう半年以上使い続けています。このガジェットは「超音波でワインやウイスキー、日本酒を熟成させられる」というものです。
超音波でお酒が熟成すると聞くと、眉につばを付けたくなる人もいるでしょう。昔なら、筆者もそうだったかもしれません。しかし、筆者は海底熟成ウイスキー「トゥールビヨン」という商品を販売している経験から、「振動」がお酒に変化をもたらすことは知っていました。超音波でどうなるのかがわからなかったので、いろいろと実験を続けています。
結論からいうと、もちろん効果はあります。お酒の味わいがまろやかに変化し、明らかに美味しくなるボトルもたくさんあります。特に筆者が大好きなウイスキーの変化も面白いです。
「Sonic Decanter」に水を入れてボトルを入れ、スイッチを押すだけで、超音波が発生します。白ボタンが15分、赤ボタンが20分です。普通のボトルであればそのまま入りますが、入らない場合は別の空瓶に移し替えればいいでしょう。時間が経過すると止まるので、飲んでみましょう。
傾向としてはアルコールがまろやかになり、香りの印象もずいぶん変わります。味わいでは、甘さが浮き上がってくる感じです。変化の具合や量はお酒によって大きく異なります。同じウイスキーでも、変化が感じにくいものから、驚くほど美味しくなっているものまであります。中には、確かに熟成年数が進んだボトルに近い味わいになっているケースもあります。これが「振動」の力です。
液体の状態を科学的に判別することは難しいのですが、「Sonic Decanter」を利用するとSO2やPh値、アントシアニン、揮発酸が減少すると謳っています。筆者ではこの違いはわかりませんが、レベルの差はあれ、味と香りに変化が起きていることは確かです。
超音波でお酒を熟成させる「Sonic Decanter」の使い方
1
2
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
記事一覧へ
記事一覧へ
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ