お金

300万円で買って300万円で売れた初代NSXは今ならいくらで売れたのか?

NSXを10年間維持するのは大変だったのか?

 もちろん、クルマは持っているだけで税金や保険、整備代などの維持費がかかります。維持費はどのようなクルマに乗ったとしても、クルマを所有すると必ず発生します。税金や保険については、驚くほどの差はありませんが、整備代はクルマによって大きな差があるため、気をつけなければなりません。  つまり、買った値段と売れた値段が「実質0円」でも、整備代にお金がかかるクルマの場合、お得とは感じないでしょう。
初代NSX

シートは非常に良く長距離でも疲れない。初期型は当時の一般車と特に変わらない4ATだったが、1995年以降のAT車にはパドルシフトが付いていた。高級感のある車内だが、キー抜き忘れ警告音は同世代のオデッセイなどと同様だったことに萌え

 しかし、NSXはホンダのクルマ。整備代にお金がかかるクルマではないのです。  もちろん、気になるポイントがないわけではなく、たとえばタイヤ代などは一般的なクルマよりもお金がかかります。特にリアタイヤは減りやすく、5000km程度でもびっくりするぐらい減ってしまいます。  また、エアコンの調整スイッチがダメになることが多く、修理すると5万円から10万円程度かかるため、「ちょっと高い」と感じます。  クルマに詳しくない人は、その見た目から「燃費が悪そう」といいますが、NSXのエンジンは3リッターV6。また、車重は1300kg台であるため、燃費は決して悪くありません。もちろん、最近の低燃費車と比べると燃費は良くないことになりますが、最新のミニバンより良いぐらいの燃費といえるかもしれません。  知らない人は、「壊れそう」とか「燃費が悪そう」といいますが、乗った私の経験からすると、大学生でも維持できるクルマだと思います。
初代NSX

純正でも車高がかなり低いため、傾斜のある道や駐車場などの段差では、気をつけていてもズリズリっとすってしまった。リトラクタブルライトは、特にパッシング時にさっと開く姿がとても良かった

 10年前に買って、10年で10万kmぐらい乗ったとしても、車両本体の代金は、実質0円だったかもしれないNSX。維持費も一般的な3リッター車と大きく変わらないため、10年前に買って10年間乗り続けていたならば、新車で軽自動車を買うよりオトクなクルマライフとなったことでしょう。  私は早くにNSXを売ってしまったため、そのチャンスを逃したわけですが、そこまで悔しいとは思っていません。むしろ、NSXというクルマに乗ったという経験ができてよかったと思っています。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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