更新日:2023年03月22日 09:58
お金

「価値あるモノにめぐり会えない人」の消費行動。腕時計投資のプロが教える

 腕時計もクルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

斉藤由貴生

第20回 新品しか選択肢がないのは価値のわからない人

 私は1950年代頃の古い日本映画が好きで、特に川島雄三監督の『須崎パラダイス赤信号』や『女は二度生まれる』という作品は半年に1回は観たくなります。一見すると、『ALWAYS三丁目の夕日』的な昭和ノスタルジーに浸っているようにも見えるこの趣味。しかし、私は単に自分が好きな作品を探した結果、たまたま川島雄三監督の映画に行き着いたにすぎないのです。  最新の映画を見るのが普通だと思う人にとって、私の映画の嗜好は変に映るかもしれません。しかし、もしこれがジブリ作品だったとしたら、それは全くもって普通のことだと思います。 「好きなジブリ作品は何?」という質問に対して、『風の谷のナウシカ』とか『天空の城ラピュタ』と答える人は多いでしょう。しかし、ナウシカは1984年の作品、ラピュタは1986年の作品です。ジブリ作品であれば、宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』という2013年の映画でも1984年の映画でも同列扱い。つまり、多くの人はジブリ作品だと過去の作品にまで遡って楽しんでいるのです。  もしも最新の映画にしか興味がないのであれば、最新の映画というくくりの中に縛られて良い映画を探さなければなりません。しかし、過去のものも含めて良い映画を探そうとすると約100年分の膨大な作品の中から選ぶことができるのです。まして、名作と呼ばれる映画は5年に一度、もしくは10年に一度ぐらいの割合でしか世の中に出てきません。つまり、過去の作品を選択肢に入れるということは、良いモノだけをピックアップできるということなのです。

モノの価値は、新しさで決まらないモノもあるということを覚えておきましょう

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分母が大きいほうが良いモノに巡り合える確率はアップ
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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