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悩みから抜け出す最速の方法は「誰かに話すこと」

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第117回 悩み

悩みは本やネットで解決できない

 私たちはいつも何かしらの悩みを抱えています。そして、その解決策を求めて、本を読んだりネットで調べたりしています。しかし、悩みを解消するのが、解決策とは限りません。  なぜなら「悩む」というのは、「次を選べない」という状態だからです。私たちは解決策を求めながらも、「いっぺんにすべてが片づく魔法」が存在しないことに、なんとなく気づいています。だから「とりあえずこうしていこう」という当面の方針が立てば、悩んでいる状態から抜け出すことができます。  では、どうすれば当面の方針が立って、悩みから抜け出せるのか。そのために必要なのが、「自分の悩みを人に話すこと」です。人に話すことは、自分の置かれた状況を俯瞰する良い機会になります。  俯瞰とは、鳥のように物事全体を見下ろすことです。「自分はこれこれこういうことで悩んでいる」と俯瞰できた時に、私たちは頭に浮かんでいる複数の選択肢から、「じゃあこうしよう」と次を選べるようになります。ただ「どうしようかな」と一人で考えているだけでは俯瞰できず、悩みから抜け出すのも難しくなります。どんな悩みでもまず大切なのは、自分について説明する機会を作ることです。  自分の悩みについて誰かに話していると、その悩みに関して、「あの人にこう言われるのがイヤだ」「あの人にこう思われるのがイヤだ」と思っている自分に気づきます。それこそが自分が次へ進めない、本質的な理由です。  悩みというのは大抵、人間関係が絡んでいます。自分の悩みを説明していくと、最初は単純な物事として表面的に捉えていたとしても、家族や友人、上司や同僚といった人間関係に言及する場面がふと出てきます。それこそが自分の本音であり、自分の本音がわかれば、次に自分が何をすべきかもわかるようになります。  こうした手順を踏まないと、次の行動にはなかなか踏み出せません。自己啓発のアドバイスは、「目標を持て」「時間を無駄にするな」「つきあう人間を選べ」などパターンがだいたい決まっています。「行動あるのみ」というのもその一つです。しかし、行動力のある人に、「行動あるのみ」とどれだけ言われても、そして「その通りだ」とどれだけ納得しても、行動できるようにはなりません。
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悩みを抱えて、進めなくなっているならば
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