更新日:2023年05月15日 13:08
エンタメ

上沼恵美子は今年も怒るのか…「M-1グランプリ2019」の見どころとは?

○決勝進出経験組

●マヂカルラブリー(吉本興業) 《2017年決勝進出、昨年準決勝敗退、敗者復活戦経験2回(2016、2018年)》  ツッコミ担当村上、ボケ担当野田クリスタルからなる吉本興業所属のコンビである。準決勝で見たネタの中で俺が一番笑ったのが彼らのネタだった。とにかく最高だった。  彼らのネタは野田君が動くボケが多い。それだけに観客はその絵を頭の中で描いて想像しなければならない。さらに「M-1」ファンの中には「マヂカルラブリー」と重ねるように「上沼恵美子」が存在する。  2年前の「M-1グランプリ2017」。「マヂカルラブリー」を叱責する審査員の上沼恵美子さん。「M-1」史でも最高にインパクトがある場面だった。それだけに「マヂカルラブリー」のネタを見るたびに、頭の中に絵を書きながら、心の中で「これ、上沼さんが見たら何て言うんやろ?」といういらぬ想像までしてしまう。「マヂカルラブリー」は、とてつもない稀有な芸人になってしまった。  はっきり書きます。今年のネタも上沼さんが怒ること間違いなしの最高の出来です。 ●トム・ブラウン(ケイダッシュステージ) 《昨年決勝進出、敗者復活戦初出場》  ツッコミ担当布川ひろき、ボケ担当みちおからなるケイダッシュステージ所属のコンビである。  昨年、「合体ネタ」に布川君の「ダメー」ツッコミでインパクトを残した「トム・ブラウン」。知名度を上げて挑んだ今年は準決勝、準々決勝では一番のウケをかっさらっていたと聞いた。しかし、審査員には「昨年と変わらない」「上積みなし」とみなされたのだろう。準決勝で敗退してしまう。  俺が「トム・ブラウン」のネタを事前に見た際には、前回大会の「ジャルジャル」のような「リズム」の要素も追加されて、昨年を超える馬鹿馬鹿しいネタに仕上がっていた。「上積みはしっかりある」と思えた内容だったが、やはり人の見方は十人十色。なかなか難しいものではある。ならば、敗者復活戦の舞台で世論に審判してもらいはっきりさせようじゃないか。 ●カミナリ(グレープカンパニー) 《2016年および2017年決勝進出、昨年不出場、敗者復活戦初出場》  ツッコミ担当石田たくみ、ボケ担当竹内まなぶからなるグレープカンパニー所属のコンビである。 「どつき漫才」で2016年の第12回大会でセンセーショナルな「M-1」決勝デビューを飾り、2017年の第13回大会では2年連続決勝進出を果たした「カミナリ」。そして、2年ぶりに参加した今年は「貫禄」さえ漂わせていた。ネタはしっかりとした台本のもと、伏線も張り巡らされていて、それを「どつき」という古典的な技法で回収していくのは流石の一言だ。  ただし、「M-1グランプリ」は「挑戦」の大会だと位置付けられている。それだけに「貫禄」や「安定」は残念ながら評価されない。ガムシャラだった2016年大会の「カミナリ」が戻ってくれば、3回目の決勝進出が見えてくるはずだ。
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ミキ、和牛は?
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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今年もやります!! ラジオでM-1!!
12月22日(日)18時30分~22時30分
ABCラジオ/AM1008・FM93.3「ラジオでウラ実況!?M‐1グランプリ2019」
出演/ユウキロックほか
radikoからも聞けます!! 全国の皆さん!! 一緒にM-1を楽しみましょう!!
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