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ネットカフェ難民、マック難民はなぜ生まれる?低所得者の住宅事情

 憲法25条で国民に保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」が揺らいでいる――。コロナの影響で“継続的な収入”が途絶え、家すら失う人が出てきている。さらに自粛要請で“すみか”を失ったネットカフェ難民、マック難民は店を追い出されてどこへ向かうのか……。そこで社会的弱者の支援活動に取り組む社会福祉士の藤田孝典氏と、4月30日に著書「年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-」(扶桑社新書)を発表した吉川ばんび氏の2人に、生活困窮者の住宅事情について語ってもらった。 ※この対談は週刊SPA!2/11・18合併号(2/4発売)に掲載された記事です。
[年収100万円ハウス]の惨状

※写真はイメージ

政府は今すぐに「住まいの貧困」対策を!

――低所得者は安アパートなどではなく、ネットカフェや脱法シェアハウスになぜ住むのでしょうか。 藤田孝典(以下、藤田):やっぱり日本の不動産システムの問題点は大きいでしょうね。まず、貧困者は敷金・礼金を捻出できない。ゼロ・ゼロ物件もありますが、退去時に多額の請求を求められる。 吉川ばんび(以下、吉川):原状回復費に50万円なんて、貧困者に払えるはずがない。“負債”となるので注意が必要で、実際に借金50万円を背負い、債務整理を行ったというケースもありました。
[年収100万円ハウス]の惨状

吉川ばんび氏×藤田孝典氏

藤田:住宅弱者をおびき寄せる“罠”に近いですよね。多くの場合、申し立てればあっさり撤回されたり、大幅な減額に応じてくれたりしますが、「不動産会社はちゃんとしている」と信じてしまい、請求通りに払う人もいる。あと貧困者が住宅を借りる壁として、“保証人がいないこと”が多分にありますね。 吉川:ええ、最近は保証人不要の物件が増えているとはいえ、保証会社を利用するにも審査が必要。仕事や収入、借金の有無などを調べられ、さらに審査を通っても「三親等以内の親族」などの緊急連絡先が必要。貧困者はさまざまな事情で家族と距離を置いている人もいるため、ここで引っかかることが多い。支援団体に頼れば、緊急連絡先になることで対応してくれる場合もありますが、そこまでたどり着けない人が大半です。 藤田:だからお金がない、保証人もいない人たちが、ネットカフェや脱法シェアハウスなどになだれ込んでしまうんですよ。
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弱者を食い物にする悪徳ビジネスは多い
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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