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ホームレスにも部屋を斡旋、生活困窮者を断らない不動産会社の志

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。年収100万円台の貧しき人たちは、家すら失う事態に陥っているのだ。そんななか「生活困窮者を絶対に断らない不動産会社」として、同業者の間で話題となっている会社がある。石塚惠氏が代表を務める賃貸仲介・管理会社『プライム』(神奈川県座間市)だ。  生活困窮者に部屋を紹介する際はオーナーも貸し渋るケースが多いが、石塚氏は同社の名義で借り上げた物件に入居者を仲介するサブリース事業とNPOの見守りサービスで貸手を増やしている。

ホームレスにも部屋を斡旋、生活困窮者を断らない不動産会社の志

[年収100万円ハウス]の惨状」

石塚惠氏

「仮に入居者の生活が不安定だったとしても、実際に物件を借り上げているのは弊社になるので、家賃滞納を心配するオーナーにとっては大きなリスク回避になります。その他、オーナーは騒音や部屋のゴミ屋敷化、入居者の孤独死などさまざまなリスクを心配していますが、実は入居者としっかりコミュニケーションをとることで問題の9割は解決できるんですよ」(石塚氏)  石塚氏は入居者に週に1度は電話をかけ、直接部屋へ足を運ぶこともある。 「先日はネットカフェに住んでいた30代の夫婦が相談に来ていました。男性が日雇いで働いていて、月収は16万円ほど。ネットカフェの料金を払うので精いっぱいでした。ご夫婦にはウチの物件への入居を検討してもらっていますが、訪れてくる人の中には、バスとトイレが一緒はイヤとか、車は絶対に手放したくないとか、わがままを言う人も結構いますよ(笑)」
[年収100万円ハウス]の惨状」

石塚氏が代表を務める不動産会社『プライム』(神奈川県座間市)

 そうした苦労はあるものの、石塚氏はできるだけ多くの人に部屋を斡旋したいと考えている。 「住居がないと職にも就けず、負のスパイラルに陥ってしまいます。そんな境遇の人を門前払いにはしたくないですね」
[年収100万円ハウス]の惨状」

石塚氏が理事を務めるNPOでは、日々の食事がままならない人に食糧を渡す支援も行う

 3年前からは物件紹介だけでなく、NPO法人ワンエイドと連携し、フードバンクなどの取り組みも行っているという石塚氏。新たな不動産会社の形を目指して奔走している。 【石塚惠氏】 生活困窮者の生活立て直しを支援する神奈川県座間市の不動産会社『プライム』の代表。同級生が代表を務めるNPO法人ワンエイドの理事でもある <取材・文/週刊SPA!編集部>
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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