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車中泊難民の漫画家、月収10万円に激減して離婚され「行き場がない…」

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。年収100万円台の人たちは、家すら失う事態に陥っているのだ。貧困に苦しむ人たちの劣悪住宅事情をリポートした。

離婚、持ち家売却…漂流を描く車中泊漫画家が語る“舞台裏”

[年収100万円ハウス]の惨状 ツイッターに投稿するエッセイ漫画「離婚して車中泊になりました」が話題の漫画家の井上いちろう氏。車中泊を始めた経緯を次のように語る。 「パチンコ・パチスロ漫画の連載を多数抱え、年収が2000万円を超えた時期もありましたが、出版不況で次々雑誌が廃刊になり、金の切れ目が縁の切れ目か、離婚、持ち家を売却しました」  住居、家族、モノを捨て、残ったのは、父親が免許を自主返納したことで得た車1台のみだった。 「収入は月10万円まで激減し、都内で家を借りるのは難しそうなので車中泊を選びました。家を売った貯金もあるし、辛いことはありますがしばらくは“漂流”を謳歌しようかな、という気持ちです(笑)」

漫画も車内で描く! 必要なのは、日々のガソリン代のみ

[年収100万円ハウス]の惨状 依頼がきた仕事は、車内のiPadで描き、ポケットWi-Fiを使い送る。あとはギャンブルで日銭を稼ぐという。そんな井上氏に“車中泊あるある”を聞いてみた。 「やっぱり職務質問も多いけれど、『奥さんと喧嘩して家出中です』と言えば見逃してくれます(笑)。あとはトラックの騒音に囲まれて寝づらい夜、凍死しそうな朝もありますね。今後、体調不良が出ないかちょっと心配ではありますけどね」  今日も井上氏は車を走らせ、新たな漫画を投稿する。
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漫画『車中泊あるある』
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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