更新日:2023年05月24日 15:01
ライフ

予想外のおにぎりに癒された「台東区鶯谷」の夜<清野とおる×パリッコ>

元三島神社で謎の「合図」をキャッチ

 が、そうだ。せっかくこのメンバーで街を徘徊しているのだから、もっと刺激的な人や店にも出会いたい。そういえば今日は、まだ土地の神様に挨拶をしていなかった。  そこで、北口駅前の「元三島神社」へお参りにいくことにする。この神社の立地が変わっていて、
鶯谷

ラブホ街のど真ん中の

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居酒屋「信濃路」の真上にある

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「今日は街におじゃましています」と、無事お参りを澄ます

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鶯谷ならではの光景

 するとここで清野氏が、慌てた口調で言う。 清野:うおっ! 今なんか変な音がしませんでした!? 至近距離でゴム縄をヒュンヒュン回されたみたいな。びっくりしたぁ……。 パリ:聞こえましたね。トンビがすぐ頭上で鳴いたような音にも。なんだったんだろう? 清野:っていうか、俺だけ異常にビビってて、パリッコさんと井野さんぜんぜん動じてませんね。 パリ:ははは、不思議ではあったんですけど。もしかしたらそれぞれの感受性によって響きかたが違う、何らかの「合図」だったんじゃないですか? ほら、清野さんそういうの呼びこむ体質だから(笑)。  あとから考えてみるに、確かにあれは何らかの「合図」だったのかもしれない。  このお参りにより3人とも憑物が取れたような気持ちになり、とにかくいったん飲みなおそうということになった。もはや鶯谷にこだわる必要もない(連載趣旨的にどうなのかは置いておいて)と、隣駅である日暮里寄りにある、清野氏のお気に入りだという食堂へ行ってみることに。
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こわ~い石像に見下ろされながら

 着いてみると、割とどこにでもありそうなチェーン系の大衆食堂で、料理はずらりと並んだ棚から自分で選びレジで会計するシステム。なるほど、普段変わった店で飲むことが多いぶん、本当に何も考えずリラックスしたいときはチェーン店で飲むことが多いという清野氏らしいチョイスだ。  ただし、入口に妙な動きをする監視カメラ、なぜか店内の、普通ならばTVでも置いてあるような場所に、そのモニターがあることを除いて。その画面、客に見せる必要ある?
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せっかくなので記念撮影

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色とりどりのつまみ、迷い放題

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こんどは日暮里に、乾杯!

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欲望のままにかき集めた料理たち

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ミニサイズの「カレーのアタマ」がつまみにちょうどいい!

パリ:ここ、本当何も気兼ねしなくていい最高の店ですよね~。 井野:料理もぜんぶちゃんと美味しいですね。日暮里以外だと葛西と深川、亀戸にあるようですが、僕が住んでる阿佐ヶ谷にも出店してほしいです。 パリ:清野さんが好きっていうのもうなずけます。ただ、この連載のネタになるかは別として(笑)。 清野:確かにいつもの取材モードだとむしろ避ける店ですね。さっきは、完全に取材のことを忘れてて、「そうだ、いつも行きつけの銭湯『萩の湯』帰りにひとりで行くあの食堂を、ふたりにも案内しよう」って、純粋に思っちゃったんですよ(笑)。 パリ:むしろ光栄です! このおつまみ小カレー、ちょうどいいにもほどがあるな~。今、本気で普通に楽しんでます。  この、なんのよこしまな気持ちもないリラックス状態が良かったのだろう。そこからは怒涛の展開が待っていた。
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幻のような靴屋「シンデレラ」
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1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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